山本寛コンテ。多くが回想シーンとはいえ、止め絵の多さが目立った。京都アニメーションを退社するあたりからFixにこだわる発言が増えているが、あまり本人に向いている技法ではないと思う。そもそも作画リソースを視聴者の予想より上乗せして使うことで評価されていた演出家なのだから。
社会階級の差別を描きつつ、スラムに住む下層階級を単純に善良とは描かないところが、現代的で良かった。特にカシムは、主人公格の友人であるだけに、陰影の濃い性格が際立って感じられた。
前回に引っかかっていた紙幣の描写も、さっそく説明が入った。なるほど、中華帝国の経済的な支配下におかれつつある描写であれば、史実をモデルにした異世界描写として強く納得できる。