法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

それがどうした、偽ドラえもん

ドラえもん偽最終回同人誌*1について報じた『報道ステーション』だが、「栄光と挫折」と表記するほどのことは起きてないだろう。賞を取った後に鳴かず飛ばずで住居を転々とするなんて、よく聞く話ではないか。


だいたい小学館著作権感覚は自社に都合がいいもので、今回こそ確かに著作権違反だったものの、極端に悪質なものかは微妙な線ではないだろうか*2小学館著作権といえば、批評のための引用を問題視して裁判を起こしてほぼ完敗した脱ゴーマニズム宣言裁判が記憶に新しい*3藤田嗣治画伯の絵画を引用と称して美術全集に載せ、やはり裁判で負けたこともある*4。他にも小学館美術著作権侵害事件*5というものがあったらしい。
何より『ドラえもん』自体、さまざまなパロディが本編に外伝に散見される作品だ。『伝説巨神イデオン』から引っ張った「建設巨神イエオン」、『ガンダム』とそのプラモを作る会社バンダイが融合した「バンダム」とプラモ*6。逆に、ドラえもん海賊版が横行していたベトナムがその印税を支払いたいといってきた時、生前の藤子・F・不二雄先生が「現地の子供達のため」基金を作るよう提案した話も有名だ。*7
そして小学館公式で出された方倉陽二*8作の『ドラえもん百科』では以下のようなパロディまである。ウルトラマンはともかく、そのネズミは危険だ。



それにしても田嶋安恵氏の贋作能力は、なかなかの才と思う。藤子・F・不二雄のニュアンスが絵に全くない現在の藤子プロは、田嶋安恵を作画マンに雇えばいいのに、と無理を承知で思うくらいだ。
これで漫画をあきらめて故郷に帰るというのはもったいない。

*1:同じようにドラえもん偽最終回を基にして作られた作品に、映画『ジュブナイル』がある。

*2:そのため、一部売上金提出と、同様の行為を二度としないという誓約書だけですんだのかもしれないが。

*3:http://www.jca.apc.org/datu-gomanism/

*4:http://web.archive.org/web/20010609022438/www.geocities.com/poli_wag/fujita.htm

*5:http://www.kengyu.com/bijoren.html

*6:そういえば、どちらも二次創作に厳しい態度を言明するサンライズ作品だ。しかし、実物大のボトムズを作っていた人に連絡をとって実質的に認めたように、小学館よりは許容範囲が広いように思える。サイバーフォーミュラの同人ゲームも、警告や差止めがされたものの、結局は条件付きで認めることにしたらしい。

*7:http://www.kantei.go.jp/jp/child/980805dai4.html

*8:藤子・F・不二雄の元チーフアシスタント。くも膜下出血で若くして48歳で亡くなられた。田嶋安恵氏と合わせて考えさせられるところがある。

『ドラえもん百科』

大百科という表記によく間違われる、全2巻のドラえもん設定解説漫画。
すでに絶版だが、古本屋や大手書店には在庫が残っているかもしれない。少なくとも1990年代まで刷を重ねている。
設定的には公式ではないとされ、自社パロディに近い位置づけであり、いくつかの独自設定*1が本編に採用されているものの、設定本としては使えない。


しかしマンガ作品としての完成度は高い。
時事ネタの多用に、容赦無いブラックなギャグ、洋画や神話といった子供に通用するのかわからないパロディ*2……マンガが元気だった時代、ややアングラな空気があったころならではの作品だ。今のオタク向けパロディ漫画がぬるく見えるほどの怪作が、すでに当時人気だったマンガの公式本として出ているのだからたまらない。
マンガの構造を活かしたメタなギャグも多く、もっとドラえもんファン以外にも読んで評価して欲しい作品なのだが……。

*1:ドラミの使用するタイムマシンのデザイン等。

*2:八頭身ドラえもんによる『カサブランカ』パロディは必見。

吾輩の教室

今日は何を教えようかと思っていたが、時間ぎりぎりでカタツムリに決定。6月だからという安易な考え。皆、ごめんなさい。


閑話休題Amazonアソシエイトとやらをするべきだろうか。
ページビューが少ない上、あまり人気商品を紹介するつもりがないので利益は全く出ないだろうが、自分で見返して不便な日記と思わなくもない。