大百科という表記によく間違われる、全2巻のドラえもん設定解説漫画。
すでに絶版だが、古本屋や大手書店には在庫が残っているかもしれない。少なくとも1990年代まで刷を重ねている。
設定的には公式ではないとされ、自社パロディに近い位置づけであり、いくつかの独自設定*1が本編に採用されているものの、設定本としては使えない。
しかしマンガ作品としての完成度は高い。
時事ネタの多用に、容赦無いブラックなギャグ、洋画や神話といった子供に通用するのかわからないパロディ*2……マンガが元気だった時代、ややアングラな空気があったころならではの作品だ。今のオタク向けパロディ漫画がぬるく見えるほどの怪作が、すでに当時人気だったマンガの公式本として出ているのだからたまらない。
マンガの構造を活かしたメタなギャグも多く、もっとドラえもんファン以外にも読んで評価して欲しい作品なのだが……。