法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『キミとアイドルプリキュア♪』第11話 Trio Dreams

 紫雨のおくったメールが放送部で採用された。自分もメールを出そうと考えた咲良だが、次のテーマが夢と知らされ、いったん家の喫茶店と決めたが、やがて悩みはじめてしまう……


 加藤陽一シリーズ構成の脚本。初めて敵幹部のチョッキリーナが出撃し、プリキュア側の浄化技もトリオでおこなう新バージョンで、さらに結末で新妖精が登場する。
 咲良は現実的かという論点で夢を悩むのではなく、自分だけの夢を見るよう親に示唆されて悩みはじめる。今できていることはもう夢ではないという気づきをとっかかりにして、三人組でアイドルプリキュアをつづけるという夢から、新浄化技につなげる。ガールズアクションとしてドラマとアクションをうまく接続していたが、架空性の高い方向に夢をさだめる結論は珍しい。
 実のところドラマの深さよりも、協力して試行錯誤しながら迷走する過程が楽しいストーリーではあった。たぶんたいせつなのは結論ではなく、協力して考えることにあったのだろう。そうした悩みをテンポ良いコメディとして展開したことで、重くならず楽しく見やすい良さもあった。


 作画監督稲上晃と上田由希子の共同で、原画に板岡錦など。強弱をつけた描線、デザインにそって細かく作画された瞳、かわいらしいデフォルメ、ダイナミックなアクションなど全体的に良好。
 将来の夢を考えるフリップ芸パートなど、バンクと静止画を利用してテンポを良くしつつ映像リソースを省力する小技もきいていた。