咲良家の喫茶店グリッターに蒼風ななが来ていた時、客として響カイトという青年が来た。響はレジェンドアイドルと呼ばれ、外国に行っているはずだったのだが。そして咲良父がパスタがないことに気づいて急いで買いに出かけ、夫が忘れた財布をとどけに咲良母と妹も出ていってしまう。咲良うたひとりで喫茶店をきりもりしなければならなくなったが、この時間帯には珍しく客が押しよせてきて……
井上亜樹子脚本に手塚江美演出、作画監督は爲我井克美と沼田広の共同。キャラクターデザインの派手さは抑えめだが、喫茶店内のレイアウトも多様な客も自然に作画できていた。
ストーリーとしては困った店をいあわせた客が助けるパターンで、現実でも個人喫茶店でならありえそうではある。しかし調理まで手や口を出すのは、さすがにウェイターの演技経験だけではやりすぎではないかと感じた。ウェイターだけを助けるのでなければ、やはり衛生に配慮するエクスキューズ描写もほしい。トラブルが起きている状況で待たせてしまった子供客に、その場にあるクッキーなどでデコレーションを追加するアイデアはうまいが、今回は特別なサービスというアピールもほしかった。
前々回に叱責されたばかりのプリルンがまたキュアアイドルの浄化技をアップロードしていた冒頭には笑ったし、結末に登場するマネージャーなど日常と戦闘がスムーズに連続している今作ならではのつくりは興味深いが、ほんの少しのディテール不足が気になってしまった。低年齢向けアニメに要求しすぎな気もするが、今回は日常のなかにアイドルという作中現実の非日常があらわれるエピソードだけに、普段以上にていねいにリアリティの線引きしてほしかった。