法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』のジャイ子が将来にエッセイを書くという二次創作話を読みながら、いろいろと思いついたこと

 6月15日がジャイアンの誕生日ということで、ジャイアンの妹が人気漫画家クリスチーネ剛田になった未来に、子供時代がどのように語られるだろうかという想像もしくは妄想がもりあがっていた。
「クリスチーネ剛田先生がマンガとは別に出してるエッセイに出てくるすげえ兄貴のエピソード」とか読みたいよな→様々な剛田武の描かれ方が妄想される - Togetter [トゥギャッター]


クリスチーネ剛田先生がマンガとは別に出してるエッセイに出てくるすげえ兄貴のエピソード」とか読みたいよな

 制作は原作者の没後だが、公式中編アニメ映画『がんばれ!ジャイアン!!』にジャイ子が結婚して漫画家になっている未来をにおわせる描写がある。

 漫画なり文章なりでエッセイを発表する将来はたしかにありえるかもしれない。


 もしエッセイが書かれたらどのような内容になるだろうかという方向では、ドラえもんのあつかいも話題になっていた。


クリスチーネ剛田のエッセイにたびたび登場する
・なんでもできる
・条件次第では"あの"兄貴より強い?
・便利な道具を貸してくれる
・たまに旅行に連れていってくれる
そんな「Dさんは誰か」問題、読者の間では当時近所に住んでいた人の証言から「出来杉」と長年勘違いされていた…とかはありそう。

 共通点を考えていくと、DではなくSとかんちがいされる可能性もありそう。

 Nの居候Dについて、クリスチーネ剛田の兄と友人をさまざまな遊びにつれていったSが語る。
「ボクがDだって?! それは光栄な誤解だね。ボクはただの学生だったからドライブにも全員はつれていってやれなかったけど、彼は居候先だけじゃなく、ちゃあんと従弟のSたちも遠くまでつれていってやってたしね」
 Sは当時大学生だったが、個人で直立二足歩行機械や巨大ドローンを完成させて注目をあつめていた。
「ラジコンなどで彼には何度も挑戦したけど、一度もかなわなかったなあ……」
 そういってSは遠くを見るような目をした。天才工学者のSに、かなわないライバルがいたというのか……


 野比のび太の結婚相手をジャイ子から変更することがドラえもんが未来からきた理由なのだが、クリスチーネ剛田のエッセイがどちらの世界線なのか*1ということも話題になっていた。


クリスチーネ剛田先生のエッセイには
「兄の友達に漫画好きのお兄さんがいて、よく感想をもらってた。作品を読んで初めて泣いてくれたのもその人。彼がどうなったかというと、今の私の夫」
とか書いてあったろうけど、歴史改変でこの記述が消滅したのは一抹の寂しさがあるな……

 読みながら思っていたことで検索すると、熱心なファンの多い人気作なので、当然のように先行して指摘されていた。上記ツイートと同じ人物もツイートしている。


たびたび混同される兄の友人Nくんと小学生時代の夫
読者からは「同一人物では?」と言われているがスケッチブックのエピソードでは二人が別々に登場する

 共通点を考えていくと、インターネット名探偵がよくやる、複数の共通点ばかり注目して小さくとも明確な差異を無視する陥穽に落ちそうなところがあるのだ。

 エッセイに登場する、小学時代の初恋の相手で漫画の感想や取材で協力してくれた、兄の友人のN。小学時代にあこがれて同人誌にさそってもらって漫画をいっしょに描いていた、現夫のM。
 兄との距離感などもあり、イニシャルNNとMMなので少しずらして表記しているのではと推理された。子供時代にクリスチーネ剛田とともにうつっている写真から、NNと同じくMMも眼鏡をかけていることから確定と思われた。
 しかし現在もジャイ子の漫画制作に協力しているMにインタビューしたところ、クリスチーネ剛田と同人誌をつくっていた小学時代に、エッセイに登場するNと邂逅したと答える……

 ちなみに、茂手もて夫の風貌が野比のび太に少し似ている*2のは、ジャイ子の結婚相手を変えようとする設定を選んだ作者からのつぐないという説もある。


 現在はクリスチーネ剛田が他作品に登場する作中漫画家とクロスオーバーする二次創作話がもりあがっているようだが*3、実は『ドラえもん』では別の人気漫画家も登場する。

 クリスチーネ剛田とは描いているジャンルが違うためエッセイでは言及されないが、小学時代の近所に雑誌に連載しているFという漫画家がいた。時たまNと居候Dが押しかけて迷惑をかけたりアイデアを出したりアシスタントしたという噂がある。
 Fは年齢的に表に出なくなっているので詳細は不明だが、仮面シリーズで新ヒーローを何度も出した時の描線がいつもと異なるため、アシスタントにまかせていたと推測されていた。しかしそのころFはアシスタントなしでひとりでヒーロー漫画を描いて、過労で倒れたという担当編集の証言がある。その編集の目撃証言から、Dがヘルプで入ったと思われたが……

 原作では登場時期があまりかぶらないこともあり、顔をあわせるどころが言及する描写すらないが、ジャイ子フニャコフニャ夫のヘルプでアシスタントをするアニメオリジナルストーリーがあっても楽しいかもしれない。
 原作の時点でジャイ子は商業デビューこそしていないが担当編集がついている。まだ幼いので遠くまでは移動できず、近場で経験をつませるために紹介する、といった導入でどうだろうか。

*1:初回から連続する第2話に「愛妻ジャイ子!?」というエピソードがあり、最終的にジャイ子のび太を見なおす描写がある。現行の第1話にくみこまれたため大全集まで未収録だったものの、これを公式と考えると、ドラえもんが来た後もジャイ子のび太に恋しうる世界線はつづいていたと考えていいだろう。 『ドラえもん(1)|藤子・F・不二雄 大全集』 - 法華狼の日記

*2:現在の担当声優もインタビューで言及している。 下野紘、「ドラえもん」初出演!「声優やってて本当によかったなぁ」 ジャイ子が恋する超モテモテ小学生役に | アニメ!アニメ!

*3:ちなみに『ジョジョの奇妙な冒険』側で『ドラえもん』のパロディと思しき作中作が登場するので、まったく縁がないわけではない。 [B! ドラえもん] 岸辺露伴が巨匠クリスチーネ剛田と対峙する回の集団幻覚『岸辺露伴は動かない 青い友人』