法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『呪怨 黒い少女』

 ひとりの少女をうけもつ看護師は、奇妙な出来事を目撃する。そんな看護師の隣室に住む男は、看護師の部屋から謎の大きな物音がすることに驚く。実は呪いの根源は少女のなかにあったのだが……


 シリーズをつくりあげた清水崇が監修にまわり、別監督による外伝Vシネマ2作品として『呪怨 白い老女』につづいて2009年に公開。

 後に『アンダー・ユア・ベッド』を手がける安里麻里が脚本とともに監督をつとめ、現時点でシリーズゆいいつの女性監督作品となっている。
 視聴前に注意すべき問題として、後述する根幹設定がDVDパッケージ裏やプライムビデオのあらすじで明記されている。シリーズをかさねるにつれて謎解き要素が減じているとはいえ、担当者は配慮してほしい。


 冒頭の教室の暗がりに少女がひとりいるのが遠くから見える描写などは、雰囲気があって意外と良い。決定的な描写を見せずに場面転換していくところも、シリーズの特色とは正反対だが、低予算でJホラー的な恐怖を維持するには悪くない。クライマックスで特殊メイクを活用した場面は、逆にそこに制作リソースをそそぎこんだのか、悪くないクオリティで古典的な恐怖描写が楽しめた。
 しかしメインモチーフの「黒い少女」が、白塗りの俊雄の逆転を意図しているにしても、ただの黒塗りの少女に見えてまったく怖くない。多くのカットで白目がはっきり見えるので、意志があることを感じさせてしまう。子役にコンタクトを入れるのは難しくても、閉じた目の上から特殊メイクで黒目をかぶせるとか、動かさずにVFXで目を黒くぬりつぶすとか、低予算でも処理する方法はあるはず。
 くわえて今作でもカメオ出演のような俊雄は本筋にからまず、奇妙な言動の男とからむことで、『呪怨 白い老女』よりもシュールな描写になっている。
『呪怨 白い老女』 - 法華狼の日記


 そして真相について軽いネタバレになるが……
 ……これじゃ「黒い少女」じゃなくて「黒い医者」じゃねえか!とツッコミをいれたくなった。「畸形嚢腫」であり「人面瘡」である。
 約1時間の尺でちょうど中間で明かされる設定とはいえ、先述のようにDVDパッケージ裏でネタバレを明記しているのも何を考えているのか。