法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ちょこッとSister』雑多な感想

 あるクリスマスの夜、大学生の青年のもとにサンタクロース姿の蓮っ葉な女性がプレゼントを置いていった。その中から幼い少女があらわれる。保護すべき少女との同居生活から、独り身だった青年の日常が少しずつ変化していく……


 同名漫画を2006年に全24話でTVアニメ化。漫画の原作をつとめた雑破業がシリーズ構成と全話脚本を担当した。

 美少女がファンタジー的な設定でやってくるエブリデイマジック作品だが、その少女が死産だった主人公の妹という設定で、どこか喪失の気配がただよいつづけている。話の密度そのものは濃くないが、全体の流れが良くて見やすい。
 1クール目は、主人公の想い人が夢をあきらめることで主人公の前から去るという、二重の喪失による失恋を静かに描いて終わった。精神が幼い妹が下着姿になったりしても、主人公にとっては一度も性愛の対象にならないことで画面に最低限の品がある。シリアスシーンでパンツが見えたりするのはコンテ段階で止めてほしいとは思ったが。
 2クール目も命がうしなわれていくエピソードをくりかえし挿入して、妹の存在の不安感をあおっていく。こでらかつゆきコンテがゴーストストーリーらしさをうまくもりあげていた。


 何より鈴木典光の手がけたEDが絶品。デジタル技術を活用したカメラワークや衣装変更などで情報量が濃く、コケティッシュな妹の愛らしさが凝縮されている。おかげでED主題歌「ねこにゃんダンス」の魅力が倍増し、劇中の流行歌として世代も階層も異なる人々をむすびつけていくことの説得力を生んでいた。

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