2021年に2クールで放映されたサンライズ制作のTVアニメ。怪異を討伐するための軍隊に入った少年たちが、戦いの中でさまざまな真実を知っていく。
悪い意味で西村博之監督らしい作品。パッと見は整っているが、どこかで見たようなシーンをパッチワークしたようで、微妙に感情がつながっていない。
感情がつながらないことが象徴するように、まるでゲーム原作アニメのように全体がぎこちない*1。特に第1話ED前の、怪異が人間の脳を食べるという情報を、正式に入隊して実戦にまで投入された主人公と友人が初めて知らされた描写に首をかしげた。同じように職業ヒーローが実戦とギャップを感じていく『Get Ride! アムドライバー』と違って、秘匿された情報というわけでもなく、さらっと説明されるのがおかしい。キャラクター間の情報格差で説明台詞を自然に描きたいなら、たとえば主人公は一般人を救助するため命令を無視して怪物にたちむかったのだから、そこで巻きこまれた一般人に問いつめられて説明する……みたいな描写でも良かったのでは。
その犠牲になった隊員の頭が無くなっていることを、劇中の立体スクリーンで隠しながら視聴者の想像を刺激する描写は良かった。しかし、せっかくそのような立体スクリーンを常用する設定なのに、入隊した主人公たちが自己紹介する場面で活用せず、テロップで設定を表示するところも首をかしげた。他にも劇中の報道や主人公たちが少女を検索する場面など、設定を自然に説明できる状況を用意しているのに、わざわざ説明しなおしたり、ほしい説明があるのに場面転換したり、説明そのものに過不足がある。
サンライズらしく砲塔などのメカが手描き作画でシャープにしあがっているところは良かったが、それも序盤までだった。あまり等身大アクションが見映えしない。
*1:実際にゲーム連動企画のようだが。
