法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』新年からまる見え!危機一髪 戦慄の瞬間300連発!? さらにスタジオでも危機一髪が 怒涛の3時間SP

新年最初は3時間SP。公式サイトもリニューアルされた。
数年前からバックナンバーでドキュメンタリごとのサブタイトルとあらすじの掲載を完全に止めていたが、「OAまとめ」として放送回ごとにあらすじを書いた紹介ページを用意している。
www.ntv.co.jp


「山火事と戦う消防士たち」は、フランスのプロヴァンス地方で毎年恒例となった大規模な山火事と、それを止めるために出動する消防隊の奮闘。最近は出動していないし、そもそも立場も専門性も違うが、他人事とは思えなかった。
乾いた山並みを炎の線が広がっていく光景は悪夢めいているし、鼻が焼け落ちそうになった隊員の姿も生々しい。紹介された大火災では人身への被害こそなかったが、消火して見えても再発をくりかえし、ついに家屋にまで火災が達した。


「メキシコの政府チャーター機墜落の真相」は、2008年に政府要人を満載した特別機が都市部で墜落した大事件を紹介。麻薬対策にのりだした政府ナンバー2もふくめて搭乗者が全員死亡したことでマフィアの関与が疑われた。
ミステリならば地上に7人いた犠牲者が目的だったという真相になるだろうか。しかし発見したフライトレコーダーを再生したところ、操縦方法のおぼつかない操縦士と副操縦士が混乱したあげくに墜落したと判明。経験のない新人や新型機についていけないベテランですらなく、ただの素人だった。
賄賂をわたして偽の訓練証明書を獲得して特別機のパイロットにまでもぐりこむことができたという、マフィアとはまた別の社会の腐敗のあらわれだった。ここまで愚かしいと、逆に意外性がある。この日記を書きはじめた後に発生して広く報道された事件だが、まったく記憶していなかった。
jp.reuters.com
当時の記事を読むと、翌日の時点で政府発表も事故とは確定していた様子。それで興味がわかず、後日に判明した事故の詳細を追って驚くことがなかったのかもしれない。


「わんぱくな動物の赤ちゃん 野生にかえる」は、ジンバブエにある親を失った子供たちを保護して自然に返すまで育てる人々に密着。
しかしジンバブエでは溺れて水恐怖症になった子ゾウを自宅で育ててキッチンがめちゃくちゃにされ、コスタリカではアリクイの餌を確保するため樹上のアリ塚を落とすと下で受けとめる人間がアリにたかられてひどいことに。
良くも悪くもプロフェッショナル感のない、一般人が野生動物を育てるために悪戦苦闘しているかのような光景だった。


「監視カメラは見ていた・・・少女誘拐事件」は、2014年にペンシルバニアで発生した誘拐事件を、監視カメラを分析することで解決したドキュメント。
夜中に女性の悲鳴があったと通報があり、警察がかけつけると散乱したガラスとスマートフォンが残されていた。そのスマートフォンの持ち主の女性は行方不明となっており、悲鳴の直前に監視カメラに姿が映っていた。
現場の監視カメラ映像は警察でも管理者に連絡して許可をとる必要がある。ちょっと『ダークナイト』を思わせる監視国家と自由国家の葛藤。そしてようやく開示された映像には、力づくで男性が女性を引きよせる姿が映っていた。サブタイトルには「少女」とあるが、けっこう大人に近い体格なので、ひとりの肉体だけで拉致できたことが逆に怖い。
スマートフォンを落として事件性をつたえようとした被害者の機転と、公開捜査にきりかえての市民からの情報収集で州をまたいだ誘拐事件は解決した。


チーターズ」はひさしぶりの浮気調査番組。しかしバスを貸し切りにしてド派手な女遊びをしている無職男性を見ると、浮気とは別次元の問題のような気がした。
インターネットごしの匿名恋愛の謎を解く「キャットフィッシュ」と比べて展開に意外性がなくワンパターンすぎるので、あまり面白味を感じないのもつらい。


「イギリス中のレスキューが集合 洞窟救助に密着」は、2021年11月にイギリスの巨大洞窟で滑落した探検家を、イギリス全土から集めた300人で救出した事故のドキュメンタリ。
網の目のようになった巨大洞窟だが*1、多くの洞窟探検家が何度も入っており、それほど危険性が高いわけではない中級者向け。事故を起こした3人組も5~6時間楽しんで出るつもりだった。
しかしせまい岩だらけのコースに入ったところ、ひとりの男性が割れ目から十数m下に滑落、その場から動けなくなった。洞窟内では携帯電話がつうじず、ひとりが残って声かけをつづけ、もうひとりが急いで……といっても45分かけて洞窟を出て、洞窟救助センターに通報。
要救助者は胸を強打したり骨折して危険な状況のため、担架をとおせる安全なルートをさがして、事故現場は入口近くなのに大きく遠回り。担架を人力でバケツリレーのように動かし、高い段差は滑車とロープをつかって人力で昇降。2日間以上かけてようやく救助された。
新型コロナ禍の真っ最中に起きたこともあってか、それらしい日本語の報道記事があまり見つからない。巨大洞窟の名前を検索しても英語名の「Ogof Ffynnon Ddu」しか引っかからない。

*1:検索したページごとにイギリス最長から3位の長さまで表現は変わっているが、巨大なことには間違いない。