法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『デリシャスパーティ♡プリキュア』第13話 うばわれた思い出を守れ!明かされる拓海のヒミツ

ジェントルーとの戦いが一段落したが、心をあやつっていた敵幹部ナルシストルーが今度は味を変えるだけでなく、料理にまつわる思い出までうばっていく。一方、和実ゆいを戦うようにローズマリーがそそのかしていると疑った品田拓海だが……


あまりプリキュア側に動きのないエピソードだったが、2クール目のはじまりにして視点をサブキャラクターに変えた新鮮味もあり、けっこう楽しかった。
まずOPからずっと予想されていた品田少年の参戦だが、プリキュアと同じ能力に目覚めるのではなく、父親がクッキングダム出身らしいという設定が明かされるとは思わなかった。いきなり明かされた設定だが、けっこう納得感がある。品田父を品田母が助けた出会いが和実とローズマリーの関係を思わせること、品田少年が少しずつプリキュアの戦いに近づく一環であること。品田父と和実父の物語における不在も、どちらも遠洋漁業者と設定することで説明できているし、プロフィールのはっきりできない人間でもつける仕事という説得力もある。
ここで品田がローズマリーに近い補佐的な立場につくことが明確になりつつ、クッキングダムの住人と恋愛するだけでなく子をなせることも判明。さらに設定説明のための回想が敵幹部の目的説明にも活用される。たったひとつの設定を無駄なく活用している。
他に冒頭で菓彩家に様子を見に行った場面で菓彩あまねの兄が登場したり、今回は家族モチーフが前面に出されていて、だからこそ先述のように記憶をうばう敵の脅威に実感がもてた。
あと、菓彩兄がわたす菓子「プリティホリックスイーツ」が、現実のグッズとしてはプリキュアの横顔をあしらいこそすれ、アニメキャラクターを前面に出しすぎないオシャレなデザインなところが印象的。作品アイテムとして楽しむか、劇中アイテムとして楽しむかの二択で折衷しているというのは考えすぎか。


もうひとつ、深読みしすぎている可能性を承知で書いておくと、記憶を失わせるナルシストルーの能力は同期の『仮面ライダーバイス』とも通じるが、新型コロナの症状のひとつが味覚障害であるように後遺症のひとつに記憶障害があることも連想させる。はたしてスタッフは意識しているのかどうか。