ワクチン担当の河野太郎氏が、当初計画よりもモデルナワクチンの供給量が少なくなったことを認めていた。
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驚かされるのは、二ヶ月前には供給量の減少を協議して決めていたということ。モデルナワクチンをつかう職域接種がはじまる前のことだ。
計画が変更された時期は「正確には覚えていないが、ゴールデンウイーク前くらいじゃないか」とした。
河野氏は、当初計画の減少分は9月末までの第3四半期に供給されるとの見通しを示し、「9月末までに5000万回分」という計画全体には影響しないと強調。職域接種が遅れている現状との関連性は「全くない」と否定した。
一般論として、充分に努力していても目標に達さなければ統治者は責任を問われる。
しかし今回の河野氏はできる説明をおこたって、無意味にワクチン供給への不信感と不安感を増してしまっている。
上記の河野氏が批判されるのは当然だろうし、すでに多数おこなわれている。
そこで連想しつつも少し違う話として気になっているのが、さまざまなワクチン予約サイトに見られる文言だ*1。
青梅市の新型コロナウイルスワクチン接種情報をまとめています - 東京都青梅市公式ホームページ
予約を取りづらい状況が続きご不便をおかけして申し訳ありませんが、ワクチンは皆さまへの接種に必要な数量が確保されていますので焦らずにお待ちください。
ワクチンは皆さまへの接種に必要な数量が確保されていますので、どうか焦らずにお待ちください。
国は全国民分のワクチンの数量を確保しておりますので、接種を希望される皆さまは順次接種を受けていただけます。今後、十分なワクチン供給量が見込まれますので、焦らず安心してお待ちください。
これらの自治体はほとんどファイザーワクチンをつかっているので、モデルナワクチンの供給が計画より遅れている問題と直接の関係はないだろう*2。
しかし多少の変化はあるが、細部の表現まで似かよっていることは素直に不思議だ。政府レベルで表現を決めるか、ガイドラインに近いものを作っていたのかもしれない。
残念ながら、どこで誰が文言を決めたかといった情報は見つけられていない。
ただ興味深いことに、少なくとも現在の厚労省サイトでは上記と違ったニュアンスの文言が確認できる。
新型コロナワクチンの接種についてのお知らせ|厚生労働省
なお、全国民分のワクチンの数量の確保を目指しており、順番をお待ちいただく方々にも、後から順次接種を受けていただくことができます。
「確保されています」と「確保を目指し」では文章のもつ意味が明らかに異なる。
そこでワクチン予約をうけつける自治体サイトでさがしてみると、確保を目標や見込みにとどめている文言も複数あった。
【よくある質問】新型コロナウイルスワクチン接種について|品川区
全国民分のワクチンの数量の確保を目指していますので、順番をお待ちいただく方々にも、後から順次接種を受けていただくことができる見込みです。
新型コロナウイルスワクチン接種についてのお知らせ | 印西市ホームページ
ワクチン接種の予約をする際に、必要以上に申し込む事例(医療機関での接種を予約したが、ワクチンが供給されるか不安なので集団接種会場での接種も予約する等)が見受けられます。
ワクチンは希望する方全員が接種を受けられるよう、今後十分な量が供給される見込みですので、慌てずにお待ちください。
最後の印西市にいたっては、7月7日に「ワクチンの供給状況について」という小見出しを更新し、下記のように記述している。
国からのワクチン供給量が全国的に不足していることが報じられています。
印西市においては、9月末まではこれまでと同等の接種数を維持できる見込みで、予約受付の停止などは予定しておりません。(7月7日現在)
10月以降の接種予定については、今後のワクチン供給量を踏まえて、適宜お知らせします。