法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『トロピカル~ジュ!プリキュア』第11話 もりあがれ! 海辺のサンドアート!

テストが無事に終わり、トロピカる部は他部をさそってイベントを企画する。それは部活対抗のサンドアートで、二日かけて投票で優勝を決める予定だった……


ひさしぶりの感覚がある稲上晃作画監督。前作で共同作監をつとめてから、だいたい1クールくらいたっている。かわいらしくも絵柄に古臭さを感じることが多かったが、今回はデザインがあっているのか、違和感なく豊かな表情が楽しめた。
脚本は第5話を担当していた守護このみ。砂遊びで壮大なオブジェを作りがちなアニメの定番を、実際にありえそうな活動に落としこむ。美術部が終始優勢で、下手に主人公の部を優勝させたりせず、茶番感を出さない。トロピカる部の顧問も指導者として登場させる。
夏海のラフすぎる絵を、そつなくクリンナップする滝沢先輩の器用さなどもキャラクターのツボを押さえていて楽しい。優勝はできなくても、巨大なアートを協力して完成させた達成感が画面にある。


サンドアートを作る背後の青空でパラセールが動いていて、やたら細部に手間がかかった回だと思ったら、それが降雨からサンドアートを守る伏線になることも感心した。
説明的にならないよう絵で描写できていて、総合芸術として物語の説得力を高めている。それが発案やデザインの修正まで協力して完成させたサンドアートと相似形をなす。
そのパラセールの助言で、ローラの出番もちゃんとある。ただ、夏海がどのように借りられたのかは、もう少し説明があっても良かったかも。