法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『オーシャンズ11』

伝説的な大泥棒、ダニー・オーシャンが仮出所した。すぐダニーはしおらしい態度をやめて、1億5千万ドルの強奪を計画する。 古い仲間に接触して新たな仲間もあつめて、ラスベガスの地下大金庫にもぐりこもうとするが……


オーシャンズ』シリーズの第1作として2001年に全米公開されたクライムアクション。スティーブン・ソダーバーグ監督の初期代表作。

オーシャンズ11 (字幕版)

オーシャンズ11 (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video

シリーズ続編にしてシリーズ1作目のリメイクでもある『オーシャンズ8』を観て、気になったのでDVDを引っぱり出して鑑賞した。
『オーシャンズ8』 - 法華狼の日記

最後のツイストは、シリーズのファン向けの人物が登場するので、きちんと視聴はしておくべきだと思った。映像ソフトは購入しているのだが。

ばくぜんとした記憶以上に物語の構成が似通っていて、盗み出す金額や人間関係もほとんど共通している。
異なるのはライバルへ復讐するように女をとりかえすところで、女性がかつての男を切り捨てる最新作と比べて、さすがに感覚は古びている。
新たな仲間集めもテンポが遅く、ひとりひとりの重要度も低い。中国人の軽業師ひとりに何もかもまかせすぎ。足を引っぱる若者もいて、その失敗が後々までトラブルの種になる展開も安易に感じた。


しかしクライマックスで明らかになるトリックはよくできていて、最後まで見た感想としては最新作よりも好みだった。
先例や類例はいくつか思いつくが、映画という枠組みで最高に映える。そこまで大がかりにする必要がないという先入観を観客に植えつけて、サプライズを増しているのも良い。同時にトリックを可能にする準備は観客にはっきり提示されており、謎解きミステリとしてフェア。
何より、ずっと見ながら疑問だった多すぎる仲間が、それなりに頭数が必要なトリックとわかることで、逆に納得感へ転じた。