あるていどまでネタバレになるが、まず主人公の不動明について。
TVアニメ版では悪魔が人間になりかわったもの。人間の女性を愛したことで、仲間の悪魔に敵対することを選んだ。
漫画版では、人間が悪魔と融合しつつ人格を残したもの。同じ立場の元人間とともに悪魔と戦うが、人間は悪魔と区別できない。
次に、漫画版で不動明をデビルマンにさせる飛鳥了について。
最初は三白眼のチンピラのようなデザインで、メフィストフェレスのように不動明を地獄の道へ誘っていく。悪魔に対抗するために。
さまざまな予測をたてて悪魔に対抗していた飛鳥了だが、やがて予測が当たりすぎることに恐怖し、前提をひっくりかえす事実に直面することとなる。
飛鳥了は人間と敵対する悪魔側の存在で、人類社会にもぐりこんで策謀するため自分の記憶まで操作していた。その行動は、愛する存在を守るためだった。
そして、再アニメ化を機会に飛鳥了のキャラクターをつらつら考えていて、TVアニメ版『デビルマン』の主人公と似た立場だ、と今さらながら気づいた。
対立する集団を愛して、愛する者には正体を隠して、もともとの仲間と戦うという構図はまったく同じだ。
最終的に不動明と飛鳥了は戦うわけだが、それはつまり漫画版の主人公とTVアニメ版の主人公の戦いといっていい。
そういう観点からリメイクすれば興味深い作品になるのではないか、とも思うのだが、どうだろう?