2時間SPだが、関係のないテーマを特別番組の関係でクイズ仕立てにしただけのような、散漫なつくり。
「オーストラリア空港税関」はいつもの「ボーダーセキュリティ」だが、差別的な対応をされてきたと興奮するアフリカ系イギリス人を、ただ笑うだけの作りが気になった。空港の責任者も表向きは謝罪するが、裏ではカメラに対して“差別的対応などしていないし、いちいち気にしていられない”と語る。空港側が意見を無視していると主張していたイギリス人の言葉が事実ということではないか。せめて建前は貫けよ、と思ってしまった。
「ありえない容疑者」は、1996年の米国カーホンクソンにおけるジョーイ・マーティン失踪事件の謎を解く。友人がマリファナを吸っていたとか、色々と怪しい情報は出ていたが犯人にたどりつけなかった。それを後年に捜査資料を読み返した警察官が、ふたりだったはずの友人が「みんな」と表現していたり、「ただちに」という言葉づかいをしていたことから、そこにジョーイもいたのだと推理する。なるほどクイズとしてよくできているが、しかし翻訳時にニュアンスが変わりかねないところでもあり、ミステリとしては弱いかな。しかし勝手にマリファナをジョーイが吸ったことで撲殺して埋めたとか、その埋めた場所から人骨のかけらが出てきたとか、陰惨な結末ではあった。
