法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』大成功2時間SP

公式サイトでは「大成功」とあるだけだが、放送されたサブタイトルでは「&笑える失敗」も追加されていた。
残念なことに今回は全体として薄味で、新鮮味のある情報は少ない。


「犬は飛行機を操縦できるのか?」は、犬をしつけてセスナ機を飛行させるというTV番組企画を流す。しかし人間が同乗して、操縦機器にはさわらないものの指示をつづけており、あまり犬のすごさを感じない。サーカスなどの曲芸で、単独でバイクを操縦する犬に視覚的なインパクトで負けている。本題の飛行よりも、人間が指示せずとも踏み台を動かしたり回転扉を回避して餌をとる犬の姿が印象的だった。
500kmを移動するシロクマを追った「アイス・ベアー」も、おそらく元番組は興味深い内容だろうに、擬人化がすぎると思った。
「全世界が注目! 「ドナルド・トランプ」」と題して大統領候補を紹介するコーナーは、資産家や実業家の側面にだけ注目した内容。父親が不動産業者という既得権益者であることや、カジノ都市化が失敗したアトランティックシティの現状や、低賃金に苦しんで組合を結成した社員の言葉は良かった。しかし移民への排斥をあおる主張は「過激」と表現するばかりで、論争で他候補を非難して反論をさえぎったこともやりこめたかのように評価。他国の大統領候補すら正面から批判できないのか、と情けなく感じた。
最後のコーナー「知られざるサクセスストーリー「ミランダ・カー」の人生」は、プロフィールを通り一遍になぞっただけで、葛藤をほりさげない。実家が金銭的に成功していたことも、さほど意外性のある内容ではない。もともとスーパーモデルやブランドメーカーとしての女性に興味がある人に向けただけの内容だろう。


ゆいいつ興味深かったのは「大成功プロジェクト!メッカ最大の時計台ができるまで」で、サウジアラビアの王族による無茶ぶりを実現する技術者の努力には感心させられた。
下の建物をふくめて約600mという高さの時計台そのものもすごいし、それを礼拝をじゃませずに現地入りするのはイスラム教徒だけで、たった4年間で完成させる困難は短い時間でも充分に感じられた。
遠距離から昼夜の別なく時刻を確認できるようにするための試行錯誤や、パーツを分割しつつつ素材に高級感を出す試みなど、技術的な挑戦も見ていて楽しい。