今回は、メタンガスの噴出でクレーターが無数にできた「シベリアの大地に開いた謎の巨大ホール」や、以前にも似た事故がとりあげられた「メーデー 航空機事故の真相〜キャビンに開いた穴」などが放映された。
興味深かったのは、最後に放映された「炭鉱水没事故、救出作戦」。
チリのコピアポ鉱山落盤事故で33人が奇跡的に救出された10年前。2000年に米国ペンシルバニア州の炭鉱で9人の作業員が閉じこめられた事故を描く。
正確な格子状に掘り進めていた炭坑が、旧炭鉱と数mの近さまで接近していたというミスが発端。地図上では充分な距離があるはずだったが、旧炭鉱に溜まっていた水が坑道に溢れ出てしまった。
噴出する水流をさけるため横道に逃げて出られなくなったり、少しでも空気が残っている上へ逃げていると予測して地上から穴を掘ったり、最悪から二番目のギリギリの判断がつづいていく。
何といっても、圧縮空気で動かす細いドリルで作業員のところまで穴を開けたものの、脱出させるための巨大なドリルをとりよせる時間的な余裕がないという展開の解決がすごい。ドリルを抜いて、その穴に圧搾空気を送りこみ、満ちていく水を食い止めようとするというアイデアが、完璧に伏線の回収として成立していた。
