法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

鴻池祥肇氏とセクハラにまつわるメモランダム

産経や読売といったメディアが、先日の強行採決においてセクハラという訴えが野党側からおこなわれていると報じていた。
【緊迫・安保法案】「触るな! セクハラだ!」の警告に鴻池委員長、入室できない状態つづく 元近鉄の石井議員も“冤罪”被害か - 産経ニュース

野党側は女性議員を理事会室前のドアに多数配置し、排除しようとする与党議員に「触るな!セクハラだ!」などと抵抗。事実上、「女の壁」で鴻池祥肇委員長を室内に監禁し、質疑開始を妨害している状態だ。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150917-OYT1T50019.html

民主党などの野党は16日夜から17日未明にかけて、安全保障関連法案の成立阻止のため、女性議員を「盾」にするなど、なりふり構わぬ抵抗を繰り広げた。

もちろん、セクハラが実際にあったかどうかは訴えだけでは確定できないし、セクハラの訴えが戦術であるという証拠も出ていない。


ただ鴻池氏個人については、先取りするような放言を9月2日の記者クラブでおこなっていたと週刊ポストが報じていた。
鴻池祥肇氏 懇談会で「蓮舫はいい女、福島瑞穂は気がある」│NEWSポストセブン

 鴻池氏の本領が発揮されたのはなんといっても女性評である。とにかく民主党蓮舫議員のことがお気に入りらしく、「蓮舫あれはいい女や〜」を連呼。「蓮舫さんが強行採決の際に委員長席に詰め寄ってきたらどうしますか、と記者に聞かれると、『抱きしめちゃう』とはしゃいでいました」(出席した記者)

 ちなみに、懇談会はこのように終始、鴻池氏の放言連発で笑いに包まれていたが、一部の女性記者の表情だけは、曇り気味だったとか。

 かつて女性スキャンダルが原因で官房副長官の職を追われた過去をものともしない鴻池氏。ここまで来れば、もはや一つの芸風かもしれない。

これが事実であれば、セクハラであることは間違いないし、見逃した記者の見識も問われるところだろう。似たようなセクハラを民主党仙谷由人氏がおこなったと報じられ、裁判を起こして負けたことは記憶に新しい*1


さて週刊ポストだけでは信頼しにくいところだが、その記事内でも言及されているように、同じように見識を問われるべき過去が鴻池氏には複数ある。
http://www.47news.jp/CN/200307/CN2003071801000390.html

鴻池祥肇防災担当相は18日午後の衆院予算委員会の集中審議で、東京の4女児監禁事件について「少女4人も、加害者か被害者か分からない」と述べ、被害者の女児らにも責任があるかのような答弁を行った。藤井孝男委員長が発言の真意を問いただしたため、鴻池氏は発言を撤回した。

麻生首相、一転任命責任認める/鴻池前副長官の辞任で | 全国ニュース | 四国新聞社

 麻生太郎首相は14日夜、国会議員の公務用JR無料パスを使った知人女性との温泉旅行が報じられた鴻池祥肇官房副長官の辞任について「今までも任命責任はあると申し上げてきた。今回も例外ではない」と述べ、一転して自身の任命責任を認めた。官邸で記者団の質問に答えた。

冤罪でないセクハラは問題視されるべきという意識が本当に共有されているなら、そもそも鴻池氏が委員長となることはなかったかもしれない。


さらに地方議会に視野を広げると、過半数の女性議員がセクハラ被害にあっているという調査が先月に報じられたばかり。
http://www.47news.jp/CN/201508/CN2015081301000681.html
日本の政治では、今回の強行採決にまつわる情報だけで軽々しく判断できないほど、セクハラの根は深くて広い。
せめて今回の報道を機会に、なんらかの進歩をのぞみたい。