法華狼の日記

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大西健介氏に敗訴した高須克弥氏、ネットアンケートを根拠に裁判員裁判なら勝訴していたと主張する

国会における大西氏の発言が名誉棄損だとして訴えた高須氏が、当然のように第一審で敗訴したという。
高須氏側の請求を棄却、民進議員の国会発言めぐり:朝日新聞デジタル

河合芳光裁判長は「大西氏らが国会議員としての職務行為で責任を負うことはない」と判断し、高須氏側の請求を棄却した。

上記のように原則として国会議員は答弁において名誉棄損に問われることはないし、下記のようにそもそも名誉棄損にあたらない表現だとも指摘されたという。
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3349360.htm

 23日の判決で東京地裁は「大西議員の発言は、高須クリニックのCMを指していると見ることができる」とした一方で、「高須クリニック自体の社会的評価を低下させるものではなく、名誉毀損ということはできない」として訴えを棄却しました。


そもそも下記エントリで議事録を紹介したように、大西氏は高須クリニックの公式サイトを根拠として、法律の制約で広告が陳腐にならざるをえないと主張していた。
そもそも民進党の大西健介氏は、高須クリニックが悪徳クリニックだという主張はしていない - 法華狼の日記

議事録と公式サイトを読みあわせると、むしろ大西氏と高須クリニックの問題意識はかなり重なっている。国会で引用した部分だけでなく、主張の多くを高須クリニックに依拠しているとしか思えないほどだ。

もっとも、公式サイトに書かれた問題意識と、高須克弥氏の問題意識が同じとは限らない。引用してきた公式サイトコラムは、息子の高須幹弥氏が担当しているからだ。

むしろ大西氏は利益を代弁していたわけで、名誉棄損あつかいされたことに困惑したのではないだろうか。


また、高須氏が敗訴すること自体は予想しつつ、蓮舫氏の戸籍謄本を開示させることが目的という意見も散見される。訴訟をはじめたごろにNETGEEKなどの複数のまとめブログが主張していた。
はてなブックマーク - 訴訟を起こした高須克弥院長、蓮舫の戸籍謄本をGET可能に。これが狙いか | netgeek
しかしそれも弁護士の大野薫氏によって、大西氏への訴訟に蓮舫氏の戸籍が関連しない以上、取得できないどころか弁護士が懲戒される可能性があると指摘されていた。
高須クリニックが大西議員を訴えた件について

弁護士は,必要がある場合には紛争の相手方の戸籍謄本を取得することが可能です。しかし,取得できるのは,業務遂行上必要な範囲に限定されています。そして,今回は,蓮舫代表の戸籍謄本とは関係のない訴訟ですから,取得できません。その上,うそをついて関係のない戸籍謄本を取得した弁護士は,懲戒されてしまう可能性が高いです。


こうした必然的な敗訴に対して、高須氏は控訴する意向を語っているわけだが、ひとつ興味深いツイートがあった。

972票を集めた上記アンケートで、「高須先生」が97%、「大西健介氏&蓮舫氏」が3%を集めたことで、下記のように高須氏は大勝利を宣言していた。

たしかに裁判員裁判は好感をもたれている著名人に有利ではあろうが、それでも投票したい人間が集まるアンケートとは比べられまい。
そもそも一方にだけ「先生」と敬称をつけるような、明らかに一方に肩入れしている人物がアンケートをおこなってる時点で、誘導された投票でしかない。