法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『血界戦線』#09 Zの一番長い日(後編)

前回に倒したのは、敵自身が捨てた肉体の一部にすぎなかった。そこで敵本体との戦いを前にして、都市へ飛行機が突入してくる。
それに搭乗していた者こそザップの兄弟弟子、もうひとりの「Z」だった……


前半は、いかにもボンズ制作らしい濃密な作画。前回につづいて中村豊が原画に入り、小平佳幸や吉田徹といった名前がならぶ。さらに作画監督に長谷川ひとみと連名で佐藤千春が参加していた。
突入する飛行機のメカ作画、メタモルフォーゼする敵、前回以上の都市崩落といった作画の力。都市にはりめぐらされた金の帯、鉄骨むきだしのビル内部、高空にカメラを置いた美術の力。アニメーションの楽しみがここにある。
たがいを認める「Z」の関係もいいし、新たなZのキャラクターが作品において特異なのもいい。


後半は、一転してブラックとホワイトの回想が描かれる。観念的な台詞で断片的に語られるのは、主人公の対となる家族の物語。
アニメオリジナルキャラクターらしいが、原作未読者としてはつながりに違和感がない。ほとんど釘宮理恵の一人舞台だが、あまり声優に興味をもってないなりに良いとは思った。
ただ、台詞での説明をさけるどころか、わざわざ答えを削るのは好悪わかれるかもしれない。残り3話、ひっぱるような内容を示してくれるかどうか。