法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

良くも悪くも印象的な東映戦争映画4作品が無料配信

どれも9月12日まで無料配信。それぞれ特撮技術の進歩が楽しめる一方、日本の加害に正面から向きあった作品はない。


まずは、東日本ハウス主導でつくられた、東京裁判東條英機中心に描く『プライド 運命の瞬間』。
http://gyao.yahoo.co.jp/p/00867/v00910/
実は未見だったので配信は嬉しいものの、いかんせん約2時間40分という尺が長い。伊藤俊也監督作品は『女囚さそり』三部作だけ見たことがあるが、そちらは短くも濃密な作品だった。
ただ軽く見たところ、タイトルバックの広大な廃墟は悪くない。カメラを動かして合成しながら精度が高く、1998年の日本特撮としては突出している。当時の『キネマ旬報』でも、この冒頭だけは誉めていた記憶がある。


次に、石原慎太郎主導でつくられた、特攻隊員と食堂女将の交流を描いた『俺は、君のためにこそ死ににいく』。
http://gyao.yahoo.co.jp/p/00867/v00907/
これは2時間15分という長さ。戦争映画では珍しくない尺で、たまに尺不足とすら感じることもあるが、以前に見た時は内容の薄さが際立つだけだった。
特撮の評判はいいが、基本的には栃林秀というCGアニメーターの個人技にたよった作り。分量も少なめなので、終盤だけチェックすればいいだろう。


さらに、実物大セットをつくって戦艦大和の沖縄特攻を描いた『男たちの大和/YAMATO』。
http://gyao.yahoo.co.jp/p/00867/v00908/
プライベート・ライアン』のオマハビーチ上陸戦を、沈みかける巨艦へ置きかえた作品といったところか。特撮も物語も評判が良くないが、上記2作品と比べれば映画らしくできていた。
こちらも栃林秀VFXにたよっているが、ミニチュア爆破などの特撮も多くて大作らしい。ただ、大和内部の日々を中心とした初期案で完成させてほしかった気持ちもある。


最後に、戦争末期の特攻隊と護衛機を主軸にした、1970年公開の『最後の特攻隊』。
http://gyao.yahoo.co.jp/p/00867/v00909/
男たちの大和』と同じ佐藤純彌監督がメガホンをとったモノクロ映画。けっこう評価が高いし、軽く見たところ成田亨による特撮もまずまず。
これだけは後でじっくり見て、いずれ感想エントリをあげる予定。