法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』パパもあまえんぼ/たけしのズンドコ誕生日

今回は、前半が原作の感動エピソードのアニメ化で、後半がキャラクターの誕生日にあわせたキャラクターソング宣伝回。


「パパもあまえんぼ」は、のび太が珍しくママへ甘えてみたことに始まる、親と子の物語。
SFらしく時空を超え、子供にとってブラックボックスな存在の大人を相対化し、社会を生きていくつらさも静かに相対化。再び日常に戻りながらも、ひとときの夢で心の支えを取りもどす。本当は大人も誰かに甘えたいのだというドラえもんの台詞は、やはりアニメで聞いても刺さってくる。私の精神年齢はちっとも大人になれていないけれど。
今回のアニメ化は、序盤の天候などで抒情性を増したり、パパのふるまいでドタバタギャグを増やしていたところは良かった。しかし幕引きは、心情を語りすぎずに日常の一幕で閉じた原作が好みかな。


「たけしのズンドコ誕生日」は、好き勝手に日本のカレンダーを変えられる秘密道具「日本標準カレンダー」で休日を増やそうとしたところ、ジャイアンが乱入してくる。6月に祝日がないから増やしたいという冒頭までは原作「ぐうたらの日」と同じ。そこにジャイアンの誕生日が6月という既存の設定をくみあわせ、アニメオリジナルストーリーを展開した。
今年のジャイアンの誕生日6月15日は日曜日なのだが、そのあたりのツッコミは浅めだったかな。本来なら振替休日にはなるだろうから、のび太の望みもかなうはず。
一方、氷川きよしとの公式コラボは、本人の声優出演こそなかったが、作中電話で名前が出てくる。日本全国がジャイアンの誕生日になったことで、有名人がたのみを聞いてもおかしくない。ジャイアンの祝日を消された後、周囲に被害をおよぼさない範囲で望みをかなえさせてあげた結末も、まあ悪くはなかった。