佐藤順一監督、岡田麿里シリーズ構成のTVアニメ。河森正治メカデザイン作品らしく、制作会社はサテライト。漫画作品が原案とクレジットされているが、はっきりした関係情報が見当たらず、作品を未読なこともあってよくわからない。
アニメ「Ｍ３-ソノ黒キ鋼-」公式サイト
初回を視聴した印象として、『ぼくらのベターマン』というフレーズが脳裏をよぎった。OPのロボット登場シークエンスや有象無象の少年少女が戦いに駆り出されるところが『ぼくらの』に似ていたり、日常に侵食するホラーな怪物をデフォルメ体型の探索ロボットで処理する設定が『ベターマン』に似ていたり。
とてつもなく作画が良いわけではないが、雰囲気をつくるだけの必要充分な映像は成立させられている。複数のメインキャラクターと世界設定を説明しながら、ウェルメイドでウェットな結末に落としこんで、きちんと物語を見たという満足感もそれなりにあった。メインキャラクター同士をつなげる小道具になるかと思ったペンダントの位置づけも面白い。
監督は意外とロボットアニメ経験も多いし、以前に『ゲートキーパーズ』というオリジナル作品を手がけたこともあるが、こういう方向性の作品は珍しい。しかし『うみものがたり 〜あなたがいてくれたコト〜』等があるように、実は鬱屈した重たい展開で凄みを出せる監督だ。それ以来の暗黒面を前面に出した久しぶりの作品として期待したい。
