法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドキドキ!プリキュア』第47話 キュアハートの決意!まもりたい約束!

田中裕太演出。リアル寄りな町並みで、等身大の相手や超巨大な相手と戦う情景をていねいに描く。『プリキュア』シリーズでは、映画『オールスターズDX』3部作くらいでしか大規模なそれは描かれなかったが、TVアニメなりにそれらしく処理できていた。
キュアハートとレジーナが向かいあう場面など、瓦礫のところどころで小さな炎があがり、煙のようなすすけた雲が2人の背後に流れることで、奥行きが表現されていた。戦う場所が荒野や異世界ではないがゆえ、表現できた世界の広がり。
作画監督は第41話の3人に加え、河野宏之が入っているという珍しい布陣。目の輪郭で河野作画らしいカットがありつつ全体の印象が違っていたので悩んでいたのだが。キングジコチューが暴れるカットが作画的に良かった。


高橋ナツコ脚本も力強く、細部のキャラクターまで愛が注がれている。ゲストキャラクターが多く再登場し、短い出番ながら救われた現在の姿を見せ、作中の時間が流れていることを感じさせていく。
キュアソードキュアダイヤモンドの独占欲と愛情が表裏一体と自覚している台詞や、キュアロゼッタが1人だけ高みに立った発言をしているのも、かゆいところに手がとどいた気分。
父親を前にして、同じくらいキュアハートが好きと宣言したことで、説得できるどころか意固地にさせてしまうところもリアル。その対立がクローバータワーの崩壊という情景に集約されていく、映像作品としての構成も綺麗。


ともあれ、ほとんど提起された問題には相応の解答が示されたし、敵とのドラマも戦闘1回くらいで収集できそう。
こうなると、残った設定をどう消化するかだけが余ってしまいかねない。無かったことにされるのか、それともジョー岡田がジコチューの残り幹部の1人で浄化済みだったとわかる、みたいなオチであっさり終わるのだろうか。