法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『魔法つかいプリキュア!』第1話 出会いはミラクルでマジカル!魔法のプリキュア誕生!

夜空を見あげていた朝日奈みらいは、遠くで何かが落ちてくるのを目撃した。それを探していた次の朝、朝比奈は魔法使いのリコと出会う。
そこを襲ってくる敵幹部バッティと怪物ヨクバール。朝比奈はリコの箒に同乗して、空中を逃げまわるが……


歴代シリーズに参加してきた三塚雅人がシリーズディレクターで、宮本絵美子も歴代シリーズに参加してきたアニメーター。どちらも約十年ほどのキャリアがあるが、役職としては若手。そしてオールスターズ映画の初期三部作を手がけていた村山功がシリーズ構成。
作画監督は、前作の第7話で東映作品に初参加した松浦仁美で*1、この枠には珍しく総作画監督として爲我井克美がクレジット。スターアニメーターが前作の最終回にとられたためか、『美少女戦士セーラームーンCrystal』の3期にアニメーターがとられたのか、アクションアニメとしては作画が厳しい。ビル街の空間いっぱいを飛びまわる空中戦も、板岡錦や志田直俊が作画すれば魅力が増しただろう。
演出としては、飛行しているリコを朝日奈と同じ画面に入れるため、俯瞰や煽りの構図を多用しているところが珍しい。これも作画に負担を増やす原因かもしれないが。それと店の棚や空中戦のビル群など、背景美術で無機質な直線を多用しているところが面白い。これは魔法の世界と魔法のない世界を対比する意図だろうか。
物語構成は悪くない。いきなりアバンタイトルで異変がはじまり、朝日奈とリコの出会い、敵の襲撃、変身しての撃退までスピーディーにこなしていく。主人公を視聴者に紹介するパートがなく、ふたりの対等な出会いをじっくり描くことができて、状況が動きつづけてテンポがいい。リコが普段から魔法が使えるため、プリキュア変身前から空中戦が展開されたのもアクションの密度を濃くしている。