法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『バトルスピリッツ ブレイヴ』第49話 神々の砲台 十二宮Xレア激突!

前作をふくめた過去の話を全ての登場人物がふりかえり、静かに作戦開始への準備を整えていく前半が印象的。
まず、冒頭でデュックが自身の政策をふりかえり、融和を目指したようでいて自分は魔族による統治を前提としていた、と反省する。目立たないが、やはり植民地主義の問題を真面目に描いてきた物語でもあったな、と思う。
第31話での、魔族が墓という概念を持たない人種であるという描写を受け*1、自己犠牲を意識したバローネが墓を残してもらうよう部下にたのむ描写も芸が細かい。銅像などの賞賛を要求するモニュメントではないため、生きていた証を遺したいという思いが純粋に感じられる。
主人公が過去に戻らなかった理由について、教えをこう若者に勝ち続けて帰られなくなったからではないかと、仲間が軽口を叩いていた描写も気負いがなくて良かった。


後半の、互いに誇りをかけつつも華々しいカードが展開される、パフォーマンス的なバトルも楽しい。いかに少ない手数で出しにくいカードを出すかという、一種の縛りプレイのようでもある。
作中で最大の使命感を求められた今回のカードバトルが、主人公にとっては最も気楽に楽しめているかのように見える逆説も、不思議と感慨深い。