モノクロ映画『地球の静止する日』のリメイク。ゴールデン洋画劇場で視聴。
キアヌ・リーブスが救世主だの裁定者だのを何度も主演するのは、映画『リトル・ブッダ』でブッダを演じた因縁のためという妄想が脳裏をよぎった。
今一つという評判を聞いていたが、地球環境を汚染する人類へクラトゥが裁きを下しにくる古臭い物語を、それなりに真面目に映像化した小品と見れば楽しめなくもない。
『新世紀エヴァンゲリオン』を思い出させる地下で拘束された巨人ゴートの暴走は良かったし、クラトゥとカール・バーンハート教授の議論も理屈がそこそこ通っていた*1。
ただ、頑迷すぎる米国防長官のキャラクターは、風刺性を強く感じるからこそ戯画化されすぎていると感じた。むしろ本人は異星人に対して友好的でありたいが立場が許さないという描写にしてほしかった。結末が予定調和すぎ、それでいて爽快感もなく投げっぱなしな中途半端さも難だったな。
*1:互いに計算式を黒板へ書きつづる描写も良かった。対立する者のアドリブ的セッションというシークエンス自体が個人的に好きなのだ。