第22話は石平信司コンテ演出。アクションという面ではシリーズ平均だが、葛藤と激情に彩られた人間模様は部分的に原作以上と感じた。
群集と反対方向へ歩くウィンリィや、瞳の色を透過光で差別化するアニメならではの演出で、原作と同じ展開でも印象が異なる。
スカーがロックベル夫妻を殺した状況にいたっては、前述した瞳の色演出とからんで、原作と異なる描写。ある程度まで意図をこめた殺害となり、よりスカーの罪と責が重くなっている。
第23話は『鉄腕バーディーDECODE』や『かんなぎ』のA-1 Picturesが制作協力し、原画にりょーちもや夏目真悟。Aパートは素晴らしいアクション作画アニメで、かつ、様々な場所で同時に進行する物語を破綻させていない*1。
あと、ネタバレになるので第15話の感想では書かなかったが、今回ランファンが行った策は、やはり第15話のエドを真似たものだったのだな。原作マンガを読んだ時はぴんとこなかったが、アニメ化されてようやく感覚的に理解できた。真似ということを強調することで、かなり激しい描写の違和感を軽減している。
物語も詰め込みつつ、説明不足にもならず、感情の流れも納得できるもの。ただ、AパートとBパートで物語の方向性が分断されているのは不味かったかもしれない。序盤で飛ばしていただけに、終盤で少し視聴のテンションが落ちてしまった。
*1:美術や撮影の努力もあるだろう