鶏のササミを水で炊き、生のワカメと刻んだタマネギを合わせたサラダを良く食べる。
先日、大豆ごはんを食べた時、大粒の塩が余ったので、そのサラダにかけてみた。
すると、想像をはるかに超えて、うまかった。
いつもは淡白にしか感じないササミの香りがふんわりと、ワカメの舌触りも自然*1。何よりも、タマネギのシャキシャキした歯ざわりが、ドレッシングに浸かった場合と違って消えることがない。……なるほど、サラダの根本はソルトだ。
もともと素材の味を楽しむことが好きで、たとえばコロッケやトンカツにはソースをかけなかったりするのだが、それでも山岡士郎の気分がわかるほど美味に感じるのは珍しい。
……ただ、塩は微妙な量の調整が必要だから、注意しないとすぐかけすぎて不味くなるので注意。
山岡士郎といえば、ごはんに冷水をかけるだけの料理は、本当にうまい。
料理と呼ぶべきかもわからない簡素なメニューだが、そのうまさは『美味しんぼ』だけが主張しているわけではない。たまたま見ていたバラエティ番組『中井正広のブラックバラエティ』でもごはんと合う液体というテーマの一つで水が試されていて、高評価を受けていた。
『美味しんぼ』の素材賛美は、素材の味が好きな者から見てさえ鼻につくことが多いが*2、実際に食べてみると納得することは多く、逆に困ったりする。実感信仰は疑似科学との親和性が高いが、料理の評価は実感そのものでなので、それだけを理由として批判することは難しい。個人的に『美味しんぼ』の評価に悩む一因だ。