法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『電脳コイル』を見続けるにあたって その2

教室内でのメール攻撃だが、そこにおける教師の立ち位置がわかりにくいという感想をそこかしこで見かけた。
要約すると、メガネを外せば被害を受けないだろう、それにメールを教師が見ているなら叱らないのは変、そもそも教室内では教師が絶対的な管理権限を持っているべきではないか、といった意見だ。
教師がイタズラに気づきつつ静観している様子はあるが、それは横に置いて補完してみる。


まずメガネを外したり機能を切るのは、ヤサコはとっさに思いつけない性格に見えるし、イサコはあえて受けて立っている様子が見える。理科室で示されたようにメガネを使う授業もあり、友人とのコミュニケーションにも必須で、ゆっくり解除する時間が取れないとも考えられる。何より、メガネの機能を切れば攻撃が無効化されるとは限らない*1
大量に表示されたメールを教師が見ていたかどうか、これは確定されてない*2。イサコが後半で透明化や分裂したように、個々のメガネで視覚化される情報そのものも操作が可能と描写されている。
最後に教室の管理権限だが、これは教師が持っていると考えるのが自然だろう。しかし、たとえば学校で契約しているのとは別の通信会社を通していると考えればどうだろう。教師に気づかれないように、無線ランをこっそり使って成年向けサイトにアクセスしているとか、現実にありそうな気がするが、どうだろうか(笑)。


徐々に補完に無理が出ているが、考証してみること自体が楽しいので問題なし。
少なくとも明言されている範囲の設定が明確に矛盾している箇所はないので、話を単純に追っても問題はないが、そこにあえて理屈をつけてみるというのも物語を楽しむ一つの方法だ。

*1:パソコンの電源を切っても、プロバイダ等と契約したメールボックスがスパムで一杯になったりする、そんな作品設定かもしれない。

*2:生徒の様子からメモを受け渡ししていることに気づいても、何が書かれているのかわからないなんてことは現実にもあるだろう。