法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『キン肉マン 正義超人VS古代超人』

 悪魔将軍をキン肉マンが倒した謝礼として、マリの助けている幼稚園児たちとともにキン肉マンイースター島にやってきた。そこでモアイ像がキン肉マンの見ていないところで笑い、背後で起きている異変をかんづいたキン肉マンがマヌケな行動をくりかえすが……


 1985年に東映まんがまつりで公開された中編アニメ映画。映画シリーズでは3作目にあたり、監督は山吉康夫に交代。

 アニメシリーズのオリジナルヒロイン、マリが助けている幼稚園児のなかに車椅子の少年が登場。まるで『アルプスの少女ハイジ』のクララのように、足は治っているのに立てないという手垢のついた設定。その車椅子の少年について回想し、キン肉マンが無理やり立たせようとしたことで反発するようになったことを、「ひがみっぽくなってる」とミートが形容するのはどうなのだろうか。キン肉マンがクライマックスで勝利した後に車椅子から立ちあがるのもとってつけたよう。
 女のイエティにキン肉マンが命を救われていて求婚されるオチも、だからヒマラヤの中腹が決戦の舞台だったのかと納得するには唐突すぎる。モアイ像や遮光器土偶を宇宙由来とするオカルトネタが根幹にある作品なので、イエティの登場も当時の流行りのUMAネタとして自然な発想だったのかもしれないが……


 ただ全体的に絵も弱く話もつまらないが、テンポはけっこう良いので2作目*1よりはモダンなギャグアニメとして楽しむことはできた。
 原作にはない新しい面白味を加えているというには内容が弱く、作品ファンであっても時間をさいてまで見る価値があるかは微妙なところだが。