NUMAnimation枠のフィギュアスケートアニメ。原作は月刊アフタヌーンに連載中のつるまいかだによる漫画で、2025年1月から1クールで放送され、最終回で2期が決定したと発表。
新興の制作会社ENGIが社運をかけた印象すらあるていねいな映像づくりに感心した。元請け1作目の『旗揚!けものみち』等、いくつか見てきた作品でも定期的に作画の良い回はあったものの、1クール全体を緊張感をもって走りぬけたのは管見の限り初めて。
特に会社として力を入れていたという3DCGを活用したフィギュアスケート描写がよくできている。体形や顔立ちが異なるキャラクターごとに違う演技をさせて、手描き部分との違和感がない。十年ほど前に放送された福島ガイナックスの短編アニメ『想いのかけら』*1の技術力不足を思い出す。
かといって手描き作画が悪いわけでもなく、全体をとおしてキャラクターデザインに忠実に、日常の芝居描写もていねい。フィギュア描写も終盤の鴗鳥理凰で華やかな長い演技を精度の高い手描き作画でやりきった。当時に高い評価を受けた2016年の『ユーリ!!! on ICE』をさらに超える作画をさらっと自然に見せている。
物語の内容は基本的に献身と向上心、競争意識にかりたてるスポーツアニメ。気軽に楽しもうとする人間の存在はフレームのなかに入ってこないが、主人公師弟コンビがどちらもフィギュアスケートを本格的に始めた遅さが独特の味わいを出している。できるだけ早くから始めたほうが有利ということは痛感した上で、遅くから始めても全力をつくす意味があると正面から謳う。おかげで未来ある若い視聴者でなくても、けっこう主人公たちの心情にのっていきやすかった。
