「お宝だらけ！ こじつけ鑑定士」は、スネ夫にラジコンカーレースをいどまれたのび太だが、家にあるのは古く、動かそうとして壊れてしまった。そこで秘密道具で価値があるかのように装うことに……
諸橋隼人脚本、森山瑠潮コンテ、池野華乃演出に堀江佑作画監督と、新しいローテスタッフによるアニメオリジナルストーリー。
内容はまさかの公式ビジュエモン。もちろん原作にもロボットが美術を絶賛すると周囲も同じように評価する「評論ロボット」が存在するし*1、屁理屈を周囲に信じさせる「腹話ロボット」もある。
今回は原作のパターンを踏襲しつつ、ジャイアンをかかわらせることで制御不能になっていく物語となって、それなりに新味があったし最後の破局も原作のパターンにはない規模感で楽しかった。
「とりよせバッグ」は、忘れ物をなくしたいと望むのび太のため、遠くのものをとりよせられる秘密道具をドラえもんが出してやる。さっそく置き忘れたランドセルをとりもどしたのび太だが……
何度も使用される秘密道具の初出エピソードをアニメ化。前半が少し長かったかわりに、こちらは少し短い。
とりよせバッグの作画がやけに良くて、ちゃんと縦横の縫い目にあわせたふくらみがあり、そのふくらみごとに影とハイライトがついている。しかしその作画の良さは、ジャイアンの母親が夫からのプレゼントと思いこんでしまう展開のビジュアル的な伏線でもあり、予想外ゆえに感心した。
ただし豚が一匹ならともかく、部屋いっぱいに出すのは無理があったが……豚が猪みたいにジャイアン母子を追いかける描写で良かったのでは。
