法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

ライターの高村武義氏は、自身が認識できる「表現の自由」だけでなく、それもふくめたさまざまな権利や自由や表現自体をもっと尊重するべきだと思うよ

ゾーニングも規制の一種という考えはあるが、それを妥協的に提案や許容する政治家を規制派とみなすのであれば、自民党の山田太郎氏や赤松健氏もふくまれるのでは - 法華狼の日記

赤松健氏は自民党の政治家へロビー活動をおこなった時、ゾーニングを不充分なりの妥協ではなく、「言質」として肯定したことがあります。

山田氏の上記ツイートが規制派ではないと評価するならば、共産党の吉良よし子氏を規制派とみなすことは、たいへんに難しいと思う。逆に両方を規制派議員とみなすのであれば、それはそれで一貫性はあるとは思う。

上記エントリに対して、特に言及していなかった高村氏が下記のようにはてなブックマークで反応していた。
[B! 考え方] ゾーニングも規制の一種という考えはあるが、それを妥協的に提案や許容する政治家を規制派とみなすのであれば、自民党の山田太郎氏や赤松健氏もふくまれるのでは - 法華狼の日記

id:taka_take ゾーニングは未成年を対象とした青少年健全育成条例に基づく法規制だ。成人に対するゾーニング違憲という最高裁判例がある。だが共産党は成人にまでゾーニングを広げようとした。党派性全開で無知蒙昧の輩化したか

再掲したエントリの文章とてらしあわせれば、高村氏のコメントが的を外していることがわかるだろう。
赤松健氏は業界の自主規制としてのゾーニングが受けいれられたと喜んでいた。山田太郎氏がゾーニングを肯定した「表現の不自由展・その後」は未成年に見せられない作品が展示されていたわけではない。
そのうえで共産党の吉良よし子氏を規制派と評価すること自体は否定していない。


また、同じはてなブックマークページの下記コメントにはてなスターをつけていることも首をかしげる。コメント欄を管理する自由をうばいたいのだろうか。

id:ratepuroika 「特に再反論が見あたらない」→「再反論を特にゆるざない」 http://tenreeren.rentafree.net/month/202207 の内容を法華狼様のブログのコメントにたたきつけたいんすけどねえ手始めに

このratepuroika氏は「ロンクハラライス」「tenreeren」「umanotategami」等の名義をつかい、各所にマルチポストで意味不明瞭なコメントをつづけている。
コメントされたひとりとして私なりに根気強くやりとりして、特定の差別的な表現を説明のための引用であっても表記してはならないと要求していることまではわかった。その願いを尊重し、迂遠であってもやりとりで表記をさけたこともある。
しかし無関係なエントリへ分割した短いコメントをコピペのように連投しつづけ、やめるようたのんでも最新コメントの表示欄を機能不全におちいらせていた。
それでもratepuroika氏が自身の症状を表明するまで重複コメントもふくめてほとんど削除しなかったし、最終的にコメントを禁じた下記エントリでも予告的に理由も説明した。
hokke-ookami.hatenablog.com
現在もratepuroika氏自身のブログで「再反論」をする自由を侵害したりはしていない。はてなブックマークコメントを非表示にできる権限もあるが、その選択はしていない。
差別的な単語をいかなる文脈でも表記自体させない「言葉狩り」を高村氏は正しい要求と思うのだろうか。その抗議のためコメント欄を占有するような態度を肯定するのだろうか。


ちなみに高村氏は表現規制の理解能力についても怪しく、最近では体験型施設の管理規制と推理小説一般を混同するようなこともしていた。


中国がエロBL規制に続き、ミステリーまで規制。表現規制には果てが無いという現実。 https://togetter.com/li/1911753 #Togetter


これ中国語原文読んで「マダミス(体験型推理ゲーム施設)市場が急成長したので今まで野放しだったのを娯楽産業に組み込んで管理の枠組み作るよ」って話だと理解してたんだけど「規制当局が規制!(?)」から「中国で推理小説が禁止に!」みたいなとこまで話がぶっ飛んでてめちゃくちゃしおしおしてる。


あ ほんとに「マーダーミステリー(剧本杀)」がミステリのジャンルの一種かなにかだということで話が進んでるのか……連中がわざと煽ってるのか素で間違えてるのかわからん。
原文貼っておきますがマーダーミステリー(剧本杀)の話でミステリ小説(推理/侦探/悬疑小说)の話は1ミリもしてない

【剧本杀首次被纳入娱乐经营场所管理】https://m.gmw.cn/baijia/2022-07/05/1303029263.html?sdkver=771db3e7

上海は3/1から一足先に始まってる
【剧本杀“要”按规矩来,上海对剧本杀纳入管理】https://mi.mbd.baidu.com/r/IUGV3yFG2A?f=cp&u=8bae9cfe740d86b4&urlext=%7B%22cuid%22%3A%22_uHNf_u32a_0P2iNlaS08li_28jUaSaA_uHRaliKHtK50qqSB%22%7D

体験型施設の管理強化もまた規制の一種ではあるだろう。しかし規制へ抵抗するにしても、小説の規制と混同したままでは意味をなさない。


また直近の高村氏は、コロナ禍で一般的に議論される機会が多くなった移動の自由について、軽視するツイートをして批判的に注目を集めている。


熱海に在住してるのに、わざわざ沼津まで買い物に行くとかよほどの暇人なんでしょうねえ。
熱海から沼津に行くには山越えて、車で48分。一方小田原は海岸沿いの国道175号で41分。しかも沼津によく行くのに、昔から街中に展示されてるラブライブの展示物に気づきもしないとは。
熱海から沼津に行く途中の柿田川近辺にはシュッピングモールや、ニトリなどのアウトレットモールがあるんだけど、何でそこを素通りして沼津まで行くのかねえ?熱海のあっつんさんよ。

「よほどの暇人」と揶揄された「熱海のあっつん@an_eternity86」氏は、一般的な生活圏内であること、個人の自由であることを指摘して、端的に切り捨てている。


そんな事言われても、熱海の人達買い物しに平気で沼津でも小田原でも行きますよ😅片道30キロ程度なら全然生活圏だわ。サントムーンなんかもよく行くけど、入ってる飲食店とか買い物の内容次第でどこ行くか決めたりします。
大体人様がどこで買い物しようが勝手だろ、ネチネチ気持ち悪いな@tk_takamura

そもそも「熱海のあっつん@an_eternity86」氏は居酒屋を経営しており、少しツイートを調べれば数年前から沼津港で魚をしいれているツイートが確認できる。つまり仕事でも行く地域なのだ。


こんばんは。
沼津港で仕入れたうつぼに1尾だけ微妙に柄と顔つきの違うのが居るなーって思った事があるんですが、こいつコケウツボで合ってますか…?(1番手前です)

一方、高村氏が沼津とかかわっているアニメキャラクターをどうあつかっているかというと、デザイン化された表現に対しては不買を呼びかけていた。


JAなんすんの新しいポスターが酷い。左はラブライブである意味が無く、ただのオリジナルで通る。コラボとして成立してない。上客であるファンを無視して、客のならないフェミのクレームの屈するなら、もう買い支えるのは止めたがいい。客ナメすぎ。不買奨励。(次ツイに続く→


アンチフェミをこじらせた結果、JAなんすん×ラブライブの「ぬまづ茶」ポスターに難癖つけて商品の不買運動を呼びかける高村武義氏。
表現の自由戦士と呼ばれている人たち、オタクの敵としか思えないし、表現者の敵としか思えないのだよなあ…。

上記の不買奨励ツイートは2020年のものだが、今回の「熱海のあっつん@an_eternity86」氏への言及でほりおこされ、主に高村氏の問題として話題になった。
はてなブックマークでは「賛同されてない運動」と一個人の問題とするコメントもあり、それ自体は良いのだが、高村氏の元ツイートは600以上のいいねを集めている。けして少なくはない。
[B! ナチス] 黄色いほっぺの人々💙💛 on Twitter: "アンチフェミをこじらせた結果、JAなんすん×ラブライブの「ぬまづ茶」ポスターに難癖つけて商品の不買運動を呼びかける高村武義氏。 表現の自由戦士と呼ばれている人たち、オタクの敵としか思えないし、表現者の敵としか思えないのだよなあ…。 https://t.co/nBybG2m40W"

id:gidosupario で、この不買運動に賛同している表現の自由戦士とやらはどこにいるわけ? 賛同されてない運動で界隈全体を悪く言うのは無理筋でしょ。尚、フェミの無理矢理な抗議運動は同類から散々賛同されている模様。

高村氏の抗議はこの時だけではなく、性差別的描写の表現についてルールを提案した楠本まき氏に「断筆」をせまったこともある。上記で反発したアニメの絵柄もルールで統一されているのだが。

https://huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5cab1d5be4b047edf95d101e?ncid=other_twitter_cooo9wqtham&utm_campaign=share_twitter ”ジェンダーバイアスにも何らかのルールを作ればいいと思うんですよ。” ハッキリ言おう。楠本まきは頭がおかしい。ジェンダーバイアスが嫌なら自分の作品でそうすればいい。なのに何故他人に強要する?即刻断筆しろ。

自身が好まない表現に対して、そっと距離をとることを高村氏は選ばない。積極的に抗議を呼びかけ、表現や表現者の消滅すら望む。
それ自体も権力をもたない一個人の立場なら本来は自由だが、高村氏は自己の特権としてその自由を主張していないだろうか。


また、個別具体的な表現自体の認識についても、三井珠嬉氏のツイートに「嘘つくのやめましょう」と反論したツイートで、コラージュ画像を使用したような危うさがある。


日本の子ども向けアニメにも、めがねをかけたプリンセスや魔法少女はなかなか登場しません。自分と似た外見のお姫様に出会いたいと願う日本でくらす子のために、早川書房から本書を翻訳出版いたします。

これは『ローズ姫』の刊行時にnoteに書いた言葉ですが、ハフポストで引用されていて嬉しいです。
日本には昔からメガネ萌えは一般的だとか、メガネヒロインはいたという意見も目にしましたが、それは大人の視点であって、幼い子どもの憧れになるようなメガネのプリンセスやヒロインはまだまだ少ないと私は感じています。


嘘つくのやめましょうね。プリキュアだけ見ても眼鏡ヒロインはかなり出てます。自分達の取材不足を棚に上げて捏造するのはやめてくれませんかね?


これ左上、コラですがな。
初回放送も予告もDVDも全部、メガネはかけてない。
(『ふたりはプリキュア』第2話)

またコラージュを無視したとしても、三井氏が指摘するように憧れの対象となる変身時の姿に眼鏡をかけることは、残念ながら滅多にない。


プリキュアを例に挙げると、普段はめがねをかけていても変身してプリキュアになると、めがねを外してしまいます。
めがねのプリンセス・魔法少女の姿を身近にすることで、プリンセスごっこ魔法少女ごっこをするときはめがねを外す子、悲しい思いをする子がひとりでも減らせたらと思います。

ちょうど三井氏がツイートしたのと同時期に必殺技に眼鏡デザインをとりこんだプリキュアも登場していたが、まだ特殊な状況でつかう位置づけにとどまっている。
『トロピカル~ジュ!プリキュア』第4話 はじけるキュアパパイア! これが私の物語! - 法華狼の日記

一ノ瀬が変身したキュアパパイアは、キュアラブリーのような目からのビーム攻撃を、ゴーグルをかけておこなう。眼鏡という個性を活用していて非常に良い。いずれ通常時から眼鏡をしたデザインのプリキュアも見たいが、キュアパパイアは眼鏡をつけてないプリキュア状態での睫毛の処理がおもしろくて、今作は充分これで良い。

ここでも高村氏は表現を解釈する時に、豆知識的な情報をどこかから引いているだけで、その描写が作品の文脈においてどのような意味をもつのかを考慮していない。
それ自体は一個人の作品受容として別に悪いことではないし、本筋をはなれた細部への着目という態度を自覚して制御できるなら親近感すらもてるのだが。