法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『僕のヒーローアカデミア』第109話で国外アニメーターが原画を描いたアクションが完成形でおとなしくなった件


A produção de My Hero Hero tem dificuldades em lidar com abordagens mais ambiciosas, pois muitas vezes, um animador faz algo muito complexo e a sua cena tem que ser refeita. Vincent Chansard fez um excelente layout para o episódio dessa semana, que foi refeito na versão final:

この比較映像が話題になったことを受けて、さまざまな監督やアニメーターが背景を推測している。
togetter.com
演出意図を超えた動きは修正して抑えられることは前提として、事前の意思疎通が言語の壁にはばまれる問題などが語られている。
また単純に、時間内に完成形にもっていける制作状況ではなかった可能性も推測されている。


無責任な視聴者にすぎないが、演出意図を超えて暴れる原画を抑えたい意図はわかる。もし原画ひとりが要求以上の仕事をしたのだとして、動画以降の彩色や撮影にかける工程の値段もはねあがる。
その上で、げそいくお監督らが指摘しているように、もう少し活用してやれなかったかという残念さもある。若手の暴走や失敗などの乱れもふくめて、TVアニメの楽しさではあるから。
全体のバランスを無視した長々とした戦闘シーンや、悪目立ちする日常のしぐさなどを見れば批判することもあるが、そういう批判の余地がまったくない全体のコントロールが厳しい作品も面白味に欠けるものだ。


また、無料配信中の該当エピソードを見ればわかるが、暴れている少女キャラクターは身体能力こそ比較的に劣っているものの*1、ここが今回のドラマでエモーションが最高潮になった場面だ。
www.ytv.co.jp
訓練をつんでいた集団に対して、これまで不可能だった能力が発現した場面でもある。もっとダイナミックに動かしたほうが映えるし、逆転の説得力が出るのではないか、と比較動画を知る前に視聴した時から思っていた。
演出意図にそった原画だったがスケジュールが足りなかったという推測は、けっこう可能性が高いと思う。


また今件の少し前に、渡部高志監督が演出意図にそった作画を制作会社から抑制されることが多い経験談をツイートをしていた。


こういう芝居にという指示をラフなどで出すと、
大変になるので(難しいので)やめてください。
あまり求めないで下さいと会社から言われることも多く、何をかいわんやのありさまです。
東映系とは接触がないのですがパースを教えないとは
流石というかなんというか(;^_^A

渡部監督がよく仕事をしている会社を思うと、ボンズのような作画を売りにする会社とは方針が違うだろうが、現状を考える一助にはなるだろう。

「結局もう杉光登回しか求められてなくて、沼田誠也回は無理なんだよな」
「何の話かまったくわからないんだけど」
「『いちばんうしろの大魔王』の第7話と第5話な」
「だからつたわらねえってばよ」

*1:劇中で能力を活用した最大のアクションは、別キャラクターの巨大な氷と炎の戦いだが、少女キャラクターの原画と比べておとなしいアニメーションなので、そのバランスを考慮してダウングレードした可能性も感じる。