数日前にロイターが報じていた。あくまで未整理の資料が大量に公開された段階のエプスタインファイルよりも、現時点では根深く大きなスキャンダルと感じられる。
ガザ人道危機報告、バイデン政権高官に届かず 米大使館が阻止 | ロイター
2023年10月7日のイスラム組織ハマスによる攻撃と、その後のイスラエルによるガザ地区侵攻を受け、国連は翌年1月と2月に人道状況の実態調査を実施した。USAIDはこれに基づいて報告書をまとめた。
報告書は道路上に人の骨が転がり、車内に遺体が放置された様子を記録し、現地が「黙示録的な荒廃地」と化していると指摘した。また、食料と安全な飲料水などの人道的支援が決定的に不足していると訴えた。
しかし、ロイターが入手した文書と4人の元当局者への取材によれば、駐エルサレム米国大使ジャック・ルー氏とステファニー・ハレット副大使が、この報告はバランスを欠くと判断し、米政府内での広範な配布を阻止した。両氏はコメントの要請に応じなかった。
元米当局者3人は、報告書の描写が異例なほど生々しく、バイデン政権内で広く回覧されていれば高官の注意を引いたはずだと指摘した。さらに、バイデン大統領が発出した国家安全保障覚書の精査が進む可能性があったとの見方も示した。この覚書は、米国による情報と武器の供給を、イスラエルが国際法を順守することを条件としていた。
念のため、この大使はバイデン政権が2023年9月に任命した人物で、民主党が歓迎を表明していたので、このスキャンダル自体は民主党に重い責任がある。
米、駐イスラエル大使にルー元財務長官を指名 | ロイター
バイデン米大統領が、オバマ政権下で財務長官を務めたジャック・ルー氏を駐イスラエル大使に指名すると発表した。トム・ナイデス大使の後任となる。就任には上院の承認が必要。
米上院民主党トップのシューマー院内総務はこの発表を歓迎。「ルー氏こそ、われわれが必要としている駐イスラエル大使の適任者だ」と述べた。
しかしながら、パレスチナ虐殺へのバイデン政権の関心の低さやイスラエルへの友好的な姿勢が主に若年層からの批判を生み、支持層の離反をまねいたとも指摘されている。
親パレスチナに傾く米若者、同情派6割がZ世代 バイデン政権の急所に - 日本経済新聞
年齢別に「#standwithpalestine」が付く動画の閲覧者を分析すると、18〜24歳の層が60%を占めた。その大部分は1990年代後半生まれのZ世代にあたる。25〜34歳も含めると、全体の9割近くが若年層だった。
民主党内の予備選挙で投票ボイコット運動があり、目標を大きく超えるボイコットがおこなわれたこともある。これはアラブ系の多い州でのバイデン政権への抗議だった。
バイデン氏のガザ政策に「抗議」10万票超、ミシガン民主予備選で | ロイター
95%開票の時点で、81%がバイデン氏を支持したものの、「支持者なし」は13%に達した。
アラブ系が多く住むミシガン州では、バイデン氏のガザ政策に抗議する有権者は「支持者なし」で投票するよう求められていた。抗議キャンペーン主催者は1万票を目指していたが、実際に投じられた票数はこれを大幅に上回った。
このUSAIDの報告書をにぎりつぶしたことが、バイデンの大統領選の撤退と後継者のハリスの落選につながり、第二次トランプ政権を誕生させてバイデン政権以上に米国をイスラエルに加担させたのだとしたら……
……民主党が自滅しただけならまだいいが、第二次トランプ政権を生みだした責任をとれるのだろうか、と思わざるをえない。大統領選そのものは、民主党の手法の巧拙や責任を論じる意義はあまりないと考えていたのだが。