法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』しあわせトランプの恐怖/未来のクリスマスカード

12月最初の放映としてクリスマス企画。後半の本編に新クリスマスソングが流れ、そのままエンディングに移行したりする。


「しあわせトランプの恐怖」は、ドラえもんの置いていたトランプをのび太が見つけて、しずちゃんと遊びたいと考える。そこにちょうどしずちゃんが来て、ババ抜きを楽しむが……
2012年にアニメ化*1した中期短編を、早くも再アニメ化。前回は楠葉宏三総監督のコンテ演出で、今回は大杉宜弘チーフディレクターによるコンテと、不思議とメインスタッフが登板している。
ほぼ原作に忠実な映像化で、今回も原作の導入が完璧と実感できる。最初に楽しむ遊びのババ抜きが、物語全体を象徴している構図もよくできている。
アニメオリジナル描写というと、スネ夫が多数の願いをかなえているところと、他に願いをかなえた子供たちの数が原作より多く描写されているところ。
あと、原作では焚火に捨てようとするのだが、今回は川に捨てようとする。季節ネタにつなげられそうだが、火事をおそれて都会で減ったため改変されたのかな。


「未来のクリスマスカード」は、まずドラミちゃんのくれたクリスマスカードの世界で楽しむ。そしてパーティーに早く来てしまった時間つぶしに、のび太たちもクリスマスカード世界を作るが……
完全なアニメオリジナルストーリー。思い思いの世界をつくって楽しもうとして小さな失敗をくりかえしていく構成で、気楽なコメディとしてよくできていた。
ドラえもんの作った世界でのジャイアンスネ夫のケンカはアニメーションとしてよくできていたし、のび太が意図せず作ったダジャレ世界のくだらなさには大笑い。予告映像であったジャイアン聖歌隊のシュールさも期待通りで、スネ夫を見捨てようとするドラえもんたちのひどさとしっぺ返しは期待を超えた。ちらちら存在感を出していたスネ夫のペットが、みんなをカードに閉じこめる役割りをになう構成も地味に良かった。
ただ、子供たちを屋敷にまねいてパーティーの準備をした骨川ママが誰も知らないところでひどいめにあうギャグが、回収されないまま終わったのは引っかかりをおぼえた。今回のような誰もが楽しんで終わるべきイベント回は、助けたカットも入れて後味を良くしたほうがいいのでは、と感じた。