法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

前川喜平氏の「出会い系バー」通いを性的不祥事あつかいするならば、現政権にもっとまずい閣僚がいるのでは

天下り斡旋で次官を辞任した前川氏だが、学校での講演に対して文科省から圧力があり、それを自民党議員が指示していたことも明らかとなった。
前川氏授業:質問状でずれ 池田議員の主張と文科省の説明 - 毎日新聞

照会したのは自民党文科部会長代理の池田佳隆衆院議員(比例東海)で、市教委への質問項目の添削もしていたことが取材で明らかになった。文科部会長を務める赤池誠章参院議員(比例代表)が文科省に照会していたことも判明した。

天下りあっせん問題による引責辞任や「出会い系バーの利用」に言及して前川氏を招いた経緯や理由を尋ね、録音データの提供を求めるなど15項目の質問を市教委にメールで送信。6日には校長の認識など11項目の追加質問を送った。関係者によると、池田氏は質問項目を事前に確認し、修正を求めたという。

ちなみに前川氏の行っていた出会い系バーは、昨年に吉田豪氏が取材したところ、買春を目的とした場所ではなかったという。
加計学園問題で話題の『出会い系バー』に行ってみた。吉田豪・実話ナックルズ元編集長・女性スタッフ潜入レポート

吉田氏は前川氏が通っていた出会い系バーに潜入取材したといい、「前川さんの言い分は8割方正しいと思う」と賛同。前川氏は「(記事は)出会い系バーが売買春の巣窟のような言い方をしていたが、そんなことはないと思う。そういう目的で来る男女もいると思うが、僕が会った子のほとんどは話をしてご飯をおごってもらったり、お小遣いをもらったりとそういう目的の子が多かった。女性の場合はタダで飲んだり食べたりできるから、一種の居住空間みたいになっている」と説明した。

くわしい取材記事によると、未成年の参加も禁じられているというし、対談している久田将義*1によればヤクザ直営でもないという。

女性スタッフ: 入口で年齢確認されて、18歳未満は入れなくなってました。
久田: そりゃそうでしょ。今、風営法厳しいしさ、オリンピックも始まるし、歌舞伎町には外人がいっぱいいるじゃないですか。そこで変なことできないもん。
 あと一点否定したいのが、青山繁晴さんが「こういう店はヤクザが経営してる」的なことを言ってて、「前川前事務次官は間接的にヤクザに金を渡している」みたいなことを書いてたんだけど、それはないから。今時歌舞伎町とかで、ヤクザ直営の店とかないからね。

一方、たとえば少子化対策等の担当大臣となった松山政司氏。かつて日本青年会議所の副会頭だった時に、組織的な性的不祥事と接点がある。
松山政司・一億総活躍担当大臣の「女体盛り」パーティ疑惑 | Smart FLASH

 1998年2月14日、北海道・旭川市では、若手経営者の全国組織である日本青年会議所(日本JC)の会合が開かれていた。「女体盛り」がおこなわれたのは、その日の夜、参加していたメンバーが主催した懇親会の場だった。
 その後6月に、刺身を盛りつけられた少女が補導され、16歳だったことが発覚。参加した4人が、道青少年保護育成条例違反などの容疑で逮捕されている。懇親会には、全国から集まった33人のJC会員のうち、二十数人が参加していた。

なお、事務所によると会議には参加していたが、不祥事については認識していなかったという。釈明を疑うつもりはないが、副会頭だったなりの責任はあるだろう。

「松山は会議に参加するため旭川市に行っています。ですが、このイベント(「女体盛り」)があったことは貴誌の報道で知ったくらいで、当然参加していませんし、警察の事情聴取なども受けていません」と回答。ただ、事件当時どこにいたのかと水を向けると……。
「(松山氏は)どこかで食事を取っていたんだろうな、と話しています。JCの会頭に就いたとき、『こんなことは絶対にあってはならない』と再発防止と組織改革の陣頭指揮を執りました」


また、前任の江崎鉄磨氏の入院にともない、沖縄北方対策大臣についた福井照氏も、2009年に性的不祥事が報じられている。
新沖北相・福井照氏の黒い履歴書 温泉ハレンチ写真の過去|日刊ゲンダイDIGITAL

自民党エリート代議士の温泉豪遊『ハレンチ写真』〉と題した記事で、福井氏が兵庫・有馬温泉の旅館でパンツ丸出しの女性コンパニオンに抱きつく写真が掲載され、妻以外の女性と台湾や香港で旅行を楽しんでいたことも報じられた。

週刊現代だけでなく週刊文春週刊新潮もさまざまな性的不祥事を報じており、むしろなぜ今の時期に入閣できたのか不思議なくらいだ。
http://bunshun.jp/articles/-/6466

3月8日(木)発売の「週刊文春」では、自宅での愛人立てこもり事件や、有馬温泉でのハレンチ写真撮影の経緯など、福井新大臣の人物像について詳報している。


念のため、ひとくちに性的不祥事といっても加害的でなくて関係者も納得しているのであれば、特に批判する意味はないと思っている。性的な権利や自由が現行法と衝突することはよくある。
しかし松山氏も福井氏も、前川氏に比べれば明確に加害的な性行為にかかわっている。報道だけで前川氏の講演を問題視することが許されるなら、両氏にも同等の疑念が向けられてしかるべきだろう。

*1:実話ナックルズ』の元編集長という経歴は、一般的な取材はともかく、風俗の取材については一定の信頼をおいてもよさそう。否定されているのが青山繫晴氏なので、相対的に説得力がある。