法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

今度の『そこまで言って委員会NP』は、韓国がわざと世界地図から日本を消したというデマを今ごろ流していた

10月22日に放映された第129回のこと。
2018年にひらかれる平昌五輪の公式サイトにおいて、デザイン化された世界地図から日本列島が消えていることを問題視していた。先月末に終わった話題なのだが。
世界地図から日本列島をカット 平昌オリンピック公式サイト | ハフポスト
くわしい内容はytvMyDo!やGYAO!の無料配信で確認できる。単純ミスだという韓国側の釈明に対して、信じられるか否かを各パネリストにたずねていた。
https://gyao.yahoo.co.jp/p/11142/v00002/
そこまで言って委員会NP|ytv MyDo!|読売テレビ公式無料動画
韓国側の説明として、「外から持ち込んだ地図素材を利用し、加工した際のチェックミス」「もともと日本列島も表記していたが2月にホームページを改編した際に管理業者のミスでサハリンを含めて抜け落ち」と要約していた。
その説明を信じられるかたずねられ、信じると答えたパネリストは8名のうち2名だけ。他のパネリストは意図的に韓国が改変したかのような解釈を披露していた。


番組ではインターネットの指摘として、ツイッターで怒りの投稿続出と説明し、「陰湿すぎる」「ボイコットすべきだ!」といった批判ツイートのみを引用していた。
しかし、この世界地図が話題になった先月末、ツイッターでは検証している人々もいた。そして英国人によってWEB公開されたフリー素材を使ったことが判明している。

前後して、地図で特別に韓国を目立たせたかったどころか、スマートホン用サイトでは朝鮮半島ごと統計表示で覆い隠されていたことも指摘されていた。

日本側の批判を受けてか日本列島などを描き足した時も、他の地域は手つかずのまま。敏感に反応したのが日本だけらしいことがうかがえる。

こうした情報を反映できていないところをみると、番組を複数回まとめて収録するようになり、とりあげる話題が遅れ気味になったという話も事実なのかもしれない。もっとも、情報を集めることができたとしても、憎悪を扇動できなければ無視するのが、この番組のやりくちではあるが。


まとめると、素材の時点から日本列島もふくめて地図は簡略化されていた。しかしその情報を番組はつたえず、かわりに韓国側の説明要約で「加工した」「抜け落ち」といった表現を入れた。
要約は完全な嘘ではないにしても、韓国側の加工で日本列島が消えたかのように誘導されかねない。事実として、不充分な情報しか与えられなかったパネリストは、的外れな発言しかできなかった。
たとえば「彼らのやりそうなこと」と単純ミスを否定した長谷川幸洋氏は、「単純にやってたらこんなミスは起きない」「だってコピペするだけなんだから」と主張した。事実関係を知っていると、長谷川氏の解釈は単純ミスの肯定でしかない。
弁護士の萩谷麻衣子氏も、「朝鮮半島もものすごいでかくなって」と評するだけでなく、「ロシアもビヨーンとのびているんですよ」「日本列島とサハリンを削るとそこをつきださないと不自然なのでカモフラージュ」という陰謀論を披露*1
もちろんパネリスト個々人の偏見も問われるべきところだろう。しかし、番組に提示された情報を信用して偏見を露呈する人々には、喜んで騙されているにしても、哀れみすら感じた。

*1:こちらで比較されているロビンソン図法と比べて、朝鮮半島のサイズ感は変化していないし、ロシアやオーストラリアの形状もおかしくはない。http://yamao.lolipop.jp/map/2017/09/pyeongchang.pdf