EDが来年の映画に向けたナゾナゾ企画へと変更。子供向けのダジャレ系ナゾナゾなので、それほど機知に富んでいるわけではないが。
前後とも嶋津郁雄作画監督で、絵は高位に安定。けっこう作画枚数も使っていた印象がある。
「すてきなミイちゃん」は、ドラえもんの様子がおかしくなるところから始まる。どうやら恋をしているらしいが、その言動は果てしなくタガが外れていき……
人造物に対するドラえもんの愛を、健気とも狂気ともいえる姿として描いた初期短編の再アニメ化。2007年の映像化は健気な印象を強めていた記憶があるが、今回は狂気な方向へ増強しており、観ていて爆笑しつつ恐怖すら感じた。原作からの大きな逸脱はせず、細部でドラえもんの妄信な猛進を足している。
コンテは鈴木大司が二度目の登板。演出や作画監督の仕事かもしれないが、全体的に原作初期らしい柔らかいポージングがよく再現されていた。グルグル目を初めとしたドラえもんの表情のネジの壊れっぷりも素晴らしい。原作通り複数の秘密道具を示す場面も、テロップをスライドさせる演出が斬新で、ドラえもんの言動に合致したテンポで笑わせてくれた。
「魔女っ子しずちゃん」は、しずちゃんの魔女っ子になりたいという願いを、秘密道具でかなえてあげる。しずちゃんはさっそく人助けに奔走するが……
シンデレラではなくそれを助ける魔女になりたいという、ちょっと大人びた願いを描いた後期短編の再アニメ化。やはり2007年に映像化されていたが、アニメオリジナルの魔女コスチュームのデザインが好きではなかった。対する今回は最初から魔女イメージに近い紫の服を着ているという違和感のないアレンジ。
アニメオリジナル描写はジャイアンとスネ夫に助けを求められて断る場面くらい。全体として原作に忠実で、日照変化も物語にそってよく表現されていて、文句をつけられない出来。
