法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

選挙にむけて日本共産党が心身を削っていることを、あたかも逃げて楽をしているかのように主張する人々がいる

すでに立憲民主党社民党に対しては、総選挙に向けた共闘を確認している日本共産党
http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/list/201710/CK2017100302000189.html
のみならず、無所属になった対立候補に対しても支援に切りかえたことを、小池晃氏が報告していた。


こうした動きに対して、安倍晋三首相と会食していることで知られる政治評論家*1が、供託金没収をさけるための立候補とりやめを憶測していたという。

はてなブックマークでの小池氏への反応にも、似たような主張をいくつか見かけた。
はてなブックマーク - 小池晃 on Twitter: "佐賀1区で希望の党の公認を取り消し、無所属となった原口一博さん。日本共産党の佐賀県委員会は1区の上村泰稔さんの立候補を取りやめ、原口さんの支援を決めました。"

id:kunitaka 各選挙区に一人の候補者を立てるという伝統が無くなってきたからな。原口の無所属出馬は渡りに船だったんよ。一番喜んでるのは勝ち目のない選挙に出なくてよくなった上村氏やろな。

id:ermanarich 本音「お金浮かせることができて嬉しいれす」

ermanarich氏については、追悼するモニュメントを建てる必要はない理由として外国籍であることをもちだすという、いくえにも間違った主張をしたことで印象に残っている。
韓国の少女像を殺すため、アンネ・フランク像を殺す人々 - 法華狼の日記


資金の節約をするためという憶測が根本的に誤っていることは、小池氏の反論ツイートを読めばすぐわかる。

もちろん共産党の判断にも、それなりの合理性や信念がはたらいているだろう。内部からの不満が外にもれることも多分ないだろう。たしかに小選挙区で立候補してもそのまま当選することはないだろう。
しかし小選挙区での露出を少なくするということは、すなわち政党を宣伝する機会も少なくなるということ。それぞれの地域の代弁者として存在感も弱くなるだろう。小選挙区の選挙運動を少なくすれば、そのまま比例代表の選挙運動に反映されるほどには、単純ではあるまい。


そもそも、ずっと活動をつづけていた政党が立候補をとりさげて他党を応援することは、心理的にも簡単に決められるものではないはずだ。
日本共産党は、他党と対立することの多さで信念の固さがきわだち。逆に他党からは野党第一党の分裂をまねくほど忌避感をもたれている。
いったん対立する政党にわたった候補者を、それでも支援する意味は重い。こうした共産党の動きに甘えるべきではないと思う。

*1:時事通信の特別解説委員だが、首相動静記事で会食したことを時事通信も記している。https://www.jiji.com/jc/article?k=2017071300284&g=pol田崎史郎時事通信特別解説委員、島田敏男NHK解説副委員長ら報道関係者と会食」