法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』第17話 クーデリアの決意

蜂起の失敗と弾圧にあらがうように、他のスペースコロニーでも武装蜂起が始まる。しかしモビルスーツまで持ちだした蜂起も、鎮圧の口実をつくるだけだった。
しかし一方的な絵しか撮れないことに不満をもっていたマスコミがクーデリアに接触。紆余曲折しながら鉄華団と同行することになる……


武装蜂起の指導者が特にドラマもなく死亡。さらなる大規模な蜂起も陰謀により身動きできなくなり、あっさり壊滅。イレギュラーな存在として鉄華団が浮上するが、あくまで今回は結末でクーデリアが覚悟を決めるまでのドラマだった。
鉄華団とマスコミが同行する展開は、御都合主義のようで綱渡りがきちんと成立しているので、見ていて楽しい。イエロージャーナリズムに位置づけながら、それゆえ主人公側の助けにもなるというマスコミ像も珍しい。
しかし今回でクーデリアに覚悟を決めさせる結末は、つまりこれまでクーデリアに覚悟がなかったのに革命の象徴になっていたということ。覚悟を決めさせる状況へクーデリアをひきずりだすため、以前から覚悟していたかのような立場に設定するという前後関係の混乱がある。ここで覚悟を決めさせるなら、やはりクーデリア自身は知らないまま第三者の陰謀で革命に利用されていた設定にするしかないのでは。
そして蜂起側の混乱や壊滅はどう見せてもドラマチックになるのに、短時間であわただしく処理された。今回単独なら1エピソードとしては悪くなかったが、3話くらいにふくらませることもできたはず。もっと内部の温度差を描いて群像劇にしても良かったし、蜂起が波及して壊滅していく流れを大規模なモビルスーツ戦で見せてほしかった。