法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』第29話 出世の引き金

混戦を制して、鉄華団が海賊団の頭目を捕縛した。立場を確保した鉄華団は、海賊団を手引きした活動家の事務所へと向かう……


前回につづいて鴨志田一脚本。戦闘シーンは混戦のための混戦みたいなもので、めまぐるしい映像は良かったが、戦術的な見どころは少ない。
一方、活動家に落とし前をつけさせた鉄華団は、それ自体は暴走と紙一重だが、クーデリアは知らないという展開から納得できた。今回は被害者でありつつ、活動家の殺害に心を痛め、うまく対応できなかった自分を責める。これならば活動家の最初の描写*1が中途半端だったことにも理解はできる。クーデリアと鉄華団が協力しているようで断絶が生まれている描写としても意味がある。
ただ、単にクーデリアの性格が甘いだけという雰囲気にならないよう、活動家個人は好人物として描写してほしかった気分もある。今回の結末で鉄華団が手を結んだ相手にしても、活動家を超える規模で策謀していたはずで、対照性を自覚的に演出すれば、もっと物語の連続性が増して印象深くなったろう。