法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜』第7話 空も星も越えていこう

機械の超人「人間衛星アースちゃん」は善悪に悩まない。助けを求める人間の心を感じとり、正義をなす。
かつて超人犯罪集団の一員としてアースちゃんに倒された少年ジュダスは、出所して正義の超人として登録された。
しかしアースちゃんはジュダスを悪だと考え、学生デモに参加するジュダスを観察する……


思わず有名なOP主題歌を歌いだしそうになるサブタイトル。人間の善悪をみわける設定もアトムにある。
ただしアースちゃんの言動は幼く、自身の行動に迷わない。『鉄腕アトム』は連載をつづけながらアトムは自身の正義に迷っていき、人間の愚かしさを悲しんでいく。ロボット同士を競わせる虚しい戦いでも沈鬱な表情を浮かべる。今回はアトム設定のパロディとしてアースちゃんを描いたというより、アースちゃんがアトム連載をなぞるように超人として完成していったと考えるべきだろう。アースちゃんが魔女っ子にあたえられた夢も、アトムの生活環境そっくりだ。
ただアトム類型の超人として完成して終わるのではなく、なぜか数年後に機能停止した姿で隠されている。アトムのように人類を救うため自己犠牲したためなのかどうか、そこは不明のまま。


絵コンテは、最近は制作会社GoHandsでの監督が多かった工藤進。いつもより撮影が凝っていると感じたのはそのためかな。
アクションの物量は少なく、良い構図で動きの少ないカットをじっくり見せる描写が目立つ。しかし決めるところは決めていて、ジュダスの放電能力などはアニメートも発光の感じも良かった。