法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『神撃のバハムート GENESIS』episode08 Anatae, Part 3: Beyond The Storm

かろうじて逃げのびていたアザゼルだが、新しい敵の強さをあらわす踏み台として散った。一方、王宮の政治が不穏な動きをはじめ、アーミラとファバロは脱出することになるが……


妙齢に見える幼女と、幼女に見える老女。ここ数話に引っぱってきたアーミラと騎士の因縁が明かされ、メインとなる4人の背景情報が出そろった。さらに、奔放な者ばかりの作品ゆえ真面目が個性となるジャンヌと、東京ドームと比べるまでもなく*1小さな器の王に、小さな対立の芽が生まれる。
必要がなければ隠さず伝えていくので、登場人物が混乱したりしないし、話運びのよどみもない。秘密で視聴者の興味を引くのではなく、衝突や葛藤で物語を動かしていく。
アザゼルは小物とわかったし、王宮では別個の思惑も動きだしている。立場による視野の違いが描けており、群像劇として重層性が増した。アザゼルとジャンヌが戦った第5話では物語の舞台がせまくなったと感じたが*2、どちらも前線の将にすぎないからスケールが小さいのは当然とわかり、さかのぼるように第5話の印象も良くなった。


作画監督は第3話と同じKim Dong Jun。松見真一と連名で演出もしている。もちろん総作画監督も入っているが、作画の安定ぶりと演技の的確さは同作品の別話と比べて遜色ない。
Kim Dong Junはマッドハウスの『天上天下』での仕事も良かったが*3グロス請けしている韓国の制作会社全体の力でもあるだろう。