法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ハピネスチャージプリキュア!』第39話 いおな大ショック!キュアテンダーの旅立ち!

姉妹の同居しながら離れていく思いと、共感したがゆえ納得できた別居を、ゆるやかな時間と美しい映像で描く。


脚本は大場小ゆり。演出は第30話などで良い殺陣を見せた筆坂明規で、作画陣もほぼ同じ。今回は作品の序盤で楽しんでいた部分を、うまく発展させたかのようなつくりだった。
まず、登場人物を必要最低限にしぼったのが良かった。ずっと敵にとらわれていたキュアテンダーの性格や姉妹関係をあらためて描写する余裕があり、さらに姉とのすれちがいに悩むキュアフォーチュンの葛藤を台詞にたよらず描いてみせる。ドラマが重たいわりに神ブルーの出番が少なく、おかげで余計なストレスもたまらない。ちゃんと30分で出口にたどりつくことができるから、姉妹関係の重さがドラマの厚みを生んで完結する。
映像面でも序盤を思い出す作りだった。格闘描写の細やかな動きや、敵の侵攻で変容する風景など、最近は軽視されていた細部がきちんと描かれ、それが作品の個性を感じさせる。キャラクターが画面を横切ってカットをつなぐ技法や、広々とした空を見せるロングショットの多用も印象的。それに登場人物をしぼったおかげか、それとも映画制作が終わったためか、第30話と同じ作画陣でも作画が整っていた。