竜に乗る技術で評価され、パートナーの竜を持つことがステータスとなる世界の中世欧風ファンタジーアニメ。原作は未読。
TVアニメーション「星刻の竜騎士」オフィシャルサイト
典型的なクール系ツンデレ少女のシルヴィアが第4話まで失敗や敗北を重ね、能力が性格に追いついてないなと思ったところ、姉のヴェロニカが登場。戦場で勇名をはせて敵味方からも恐れられているヴェロニカに、シルヴィアが恐怖する。ここでシルヴィアに能力がないように感じられた描写が意図的だとはっきりし、納得感があった。
ただ第5話においてシルヴィアが姉を恐れて姿を隠していた罰として、ヴェロニカが衣服を切り裂いた奇行には、少女の半裸を見せるサービスシーンとは理解しつつも首をかしげた。しかし問題はここで終わらなかった。
第5話終盤から第6話にかけ、指名手配中の反政府活動者がシルヴィアをふくむ人々を監禁する事件が発生。
身分の高いシルヴィアの身代わりとして、ライバルにあたる少女が人質として自発的に名乗りでたりと色々ありながら、最終的にシルヴィアが人質として指名手配犯の前に立つ。するとまたしても衣服を切り裂かれる事案が発生。いくらなんでもサービスシーンのパターンが狭すぎないかと思って最後まで見たところ、ヴェロニカが裏で手をまわしていたことが判明。
ヴェロニカは指名手配犯を支配下におき、妹を鍛えるため嘘の監禁事件を起こさせていたのだ。そしてヴェロニカの乗っている飛行艦が名称を妹からとっていることが明かされる。そこで主人公の少年はヴェロニカを「なんだ、要するに物凄く妹思いってことじゃないですか」と評するのだが……しかし少し待ってほしい。妹を鍛えると称して、公衆の面前で衣服を切り裂いて半裸にさせることをくりかえす「妹思い」とは何なんだ。
同じパターンのサービスシーンが偶然ではなく必然で起こされたことはわかったし、それによってキャラクターとしての一貫性も生まれたが、結果として生まれた人格が「妹思い」というには歪んでいるというか何というか。
感想を見てまわると素直に「シスコン」と評する感想が多いが、もはや接近禁止処分が必要な域なんじゃないかと思った。まあ階級制度の残るファンタジー世界だし、ひょっとすれば姉妹の結婚すら可能な社会なのかもしれないが……
……こんな描写で何を考えているのかと自分でも思うが、ある意味で完成された人格を良くも悪くも感じてしまったので、引っかかってしまった。悔しい。