法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『恋愛ラボ』作画の感想の感想

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動画工房が制作したTVアニメ作品で、撮影などに特別に目を引く部分が少ないかわりに、とにかく作画の細やかさが印象に残った。絵柄が粗くて評判がよくなかった第7話も、第一原画のみながら本田敬一の一人原画で、楽しいアニメートがそこここで見られた。


そして第12話に対するインターネットの反応が顕著だったが、全身が連動して動くと「ぬるぬる」という評価になるのかな、と思った。
たとえば手を上げる時、たいていのTVアニメでは、まるでロボットの玩具のように肩関節だけが回転する。それが第12話では、ちゃんと人体の構造にそって肩があがって、服によった皺が連動し、さらに重心の移動にあわせて下半身まで動く。
そのアニメートの評価として「ぬるぬる」という語感にふさわしいとは思わない。よく動くといっても、さまざまな質の違いがあるものだ。しかし、全身が動く作画からディズニー映画のようなフルアニメーション作品を連想して、フルアニメーションならではの作画枚数を使った動きの「ぬるぬる」という印象が想起されているのだとすれば、理解できるような気はした。


同じように芝居作画の多い『ゆゆ式』が、TVアニメで省略されがちな芝居カットをコンテ段階から入れていたことに対し、この『恋愛ラボ』はコンテそのものはコメディアニメとして平均的な構図やカットが多いところも面白い。より作画に必要以上の力を入れているリッチさが画面から感じられた。
使えるリソースを最大限に活用して使い切った完成度と、余裕をもって設計して余ったリソースを注ぎ込んだ豪華さの対比。