法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

なぜ田中聡局長の発言が女性に対する暴行と解釈されたかの傍証みたいなもの

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-184598-storytopic-3.html

 沖縄防衛局の田中聡局長は28日夜、報道陣との非公式の懇談会の席で、米軍普天間飛行場代替施設建設の環境影響評価(アセスメント)の「評価書」の年内提出について、一川保夫防衛相が「年内に提出できる準備をしている」との表現にとどめ、年内提出実施の明言を避けていることはなぜか、と問われたことに対し「これから犯しますよと言いますか」と述べ、年内提出の方針はあるものの、沖縄側の感情に配慮しているとの考えを示した。
県などが普天間飛行場の「県外移設」を強く求め、県議会で評価書提出断念を求める決議が全会一致で可決された中、県民、女性をさげすみ、人権感覚を欠いた防衛局長の問題発言に反発の声が上がりそうだ。

上記のオフレコ発言報道について、田中聡沖縄防衛局長を批判する側からも琉球新報への指摘が上がった。
抗議!抗議!抗議! | Project Disagree

そして、「女性をさげすみ」と書き込んでしまう新報の無自覚なマスキュリニティにも強い異論を唱えておく。後回しになどせず即座に。取材した記者が男の側に立っているとして、このように書くことで自分が犯されるかもしれない恐怖を感じずに済ませ、女に対するレイプの話でこそ「怒りのマグマ」スイッチが入るという男根主義を露呈している。

しかし、続いての琉球新報の経緯説明記事で、ひとつ納得できる部分があった。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-184651-storytopic-1.html

田中局長は女性を乱暴することに例えて「これから犯す前に『犯しますよ』と言いますか」と応じた。田中局長は、1995年の少女乱暴事件後に、「レンタカーを借りる金があれば女が買えた」と発言し更迭されたマッキー米太平洋軍司令官(当時)の発言を自ら話題にし、肯定する言いぶりもあった。

何となく、琉球新報が女性対象と読解した文脈は理解しやすくなった。「犯す」が別場面での性差別的発言と重なるとは限らず、まだ報道には留保したく思う部分もあるが、この説明ならば琉球新報が当初に報じた意図はわからないでもない。……ていうか、こっちの言いぶりも当初に報道すべきだったんじゃないの。*1


あと、田中聡沖縄防衛局長に対する防衛庁の聴取結果が出ているわけだが。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20111129-OYT1T01096.htm

 居酒屋での記者との懇談において、評価書の準備状況、提出時期等が話題になり、私から、「『やる』前に『やる』とか、いつ頃『やる』とかということは言えない」「いきなり『やる』というのは乱暴だし、丁寧にやっていく必要がある。乱暴にすれば、男女関係で言えば、犯罪になりますから」といった趣旨の発言をした記憶がある。

 自分としては、ここで言った「やる」とは評価書を提出することを言ったつもりであり、少なくとも、「犯す」というような言葉を使った記憶はない。

 しかしながら、今にして思えば、そのように解釈されかねない状況・雰囲気だったと思う。

 私としては、女性を冒とくする考えは全く持ち合わせていないが、今回の件で女性や沖縄の方を傷つけ、不愉快な思いをさせたことを誠に申し訳なく思い、おわび申し上げたい。

たしかに「これから犯しますよと言いますか」ということは否定している。
しかしこの「弁明」、どう読んでも何の釈明にもなっていないというか、「男女関係で言えば、犯罪になります」とたとえた時点でどうしようもないんじゃないの……ていうか何だこれ。身内の調査で弁明するなら、もっとうまく説明できそうなものなのに、何でこう答えるの?

*1:ただし懇親会終了が前日23時で、朝刊しかない琉球新報が全て報じるには時間が足りなかったのではないかと、コメント欄でzu2氏から指摘があった。